公衆衛生の失われた機会 メンソールに関するFDA諮問委員会
公開日時 2011/06/13 22:59
米食品医薬品局(FDA)のタバコ製品科学諮問委員会(TPSAC)が、3月23日にメンソールタバコについての報告書をまとめた。同報告では、メンソールタバコは、喫煙習慣を開始しやすくし、禁煙もしにくくするなど公衆衛生上、有益でないと指摘したが、販売禁止の勧告は行わなかった。
その理由としては、メンソールタバコを禁止すると、①タバコ会社の献金を失うこと、②メンソールタバコを好む黒人議員連盟(Black Congressional Caucus)の反対、③販売禁止の結果、禁制品としてブラックマーケットが形成される―などから妥協したと指摘される。
TPSACは、「メンソールタバコを市場から引き揚げれば米国人の公衆衛生に恩恵をもたらす」と指摘しながらも、FDAに対して、なんらの特別な措置を取ることを求めなかった。メンソールタバコ人気ブランド「Newport」の製造販売会社Lorillardの株式は、TPSACの報告書が公表された際、8%上昇した。
NEJM 364:24 June 9、2011