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製薬協透明性GL 自社品の講演謝礼や原稿執筆料 施設名や個人名を公開

公開日時 2011/03/01 04:02

製薬企業から医療機関・医療関係者への資金提供内容を公開する日本製薬工業協会の「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」が2月28日、明らかになった。情報開示は、臨床試験費や治験費用といった各項目の「年間の総額」が基本となるが、医療関係者との利益相反に関連する項目は「できる限り個別開示」するとし、具体的には自社医薬品(以下、自社品)に関する講演や原稿執筆、学術的な助言などを指す“コンサルティング業務”の費用は、「○○大学(○○病院)○○科○○教授(部長)○○件○○円」と個人名まで開示を求めるとした。また、学術研究の振興などの目的で行われる奨学寄附金や一般寄附金に加え、学会等の開催に関連する寄附金や共催費も、「○○大学○○教室○○件○○円」「第○会○○学会(○○地方会)○○円」などと、個人名までいかなくとも個別に特定できるようにする考えだ。いずれも開示金額の最低基準を設けない方針。

製薬協はガイドラインの内容について、すでに日本医師会や日本医学会といった医療関係団体や関係省庁などに説明し、理解を得ている模様。製薬協がガイドラインを作成する背景には、医学・薬学の研究、実用化、適正使用の普及には金銭支払いをも含む産学連携活動が不可欠な一方で、この連携活動が盛んになるほど医療機関・医療関係者が特定の企業や製品に深く関与する場面が生じ、結果的に、「医療機関・医療関係者の判断に何らかの影響を及ぼしているのではないかとの疑念を持たれる可能性も否定できない」ことがあるためだ。海外で情報公開の動きが進んでいることも後押ししたようだ。日本でもガイドラインを作成して製薬各社が順守することで、「各社の活動の透明性を高め、社会から更に高い信頼を得られる産業になることを目指す」としている。

◎個人など特定する開示項目 事前に当事者の了解必要

製薬協はガイドラインを3月2日に発表する予定。製薬協のガイドラインをベースに今後、製薬各社が自社の行動指針となる「透明性に関する指針」を策定。その上で、2012年度の支払い情報を自社ホームページなどを通じて13年度に公開し、実質的に情報開示をスタートさせる。

製薬協がガイドラインで各社に公開が必須としているのは(1)研究開発費等(共同研究費、委託研究費、臨床試験費、製造販売後臨床試験費、副作用・感染症症例報告費、製造販売後調査費――それぞれの年間の総額)(2)学術研究助成費(奨学寄附金、一般寄附金、学会寄附金、学会共催費――について個別に特定できるよう公開)(3)自社品に関する科学的な情報等を提供するための「原稿執筆料等」(講師謝金、原稿執筆料・監修料、コンサルティング等業務委託費――について個人まで特定できるよう公開)(4)医療関係者に対する自社品の科学的な情報提供に必要な講演会などの「情報提供関連費」(講演会費と説明会費は年間の件数及び総額、医学・薬学関連文献等提供費は年間の総額)(5)その他の費用(社会的儀礼としての接遇等費用の年間の総額)――の大きく5つ。

このうち資金提供先が個別に特定される(2)(3)については、各社ができるだけ速やかに、当該医療機関や医療関係者から個々に公開の了解を文書で取得する必要がある。仮に了解を得られない場合、製薬協は寄附等を行わないよう求める方針。

 

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