将来不安抱えるMR「9割超」 40代以下は全員「不安」 職種・企業・業界への不安感強く ミクス調査
公開日時 2024/09/02 04:52
自身の将来について不安を感じているMRの割合は94.7% ― 。ミクス編集部が現役MRを対象に行ったアンケート調査では、仕事やキャリアについて、ほとんどのMRが不安を抱えていることが浮き彫りになった。不安の要因は、MRという職種の将来性に対するものが最多で約7割に上る。会社の将来性、製薬業界の将来性を憂う人も約半数に上った。一方で、自身のスキルや売上、雇用に関する不安は3割程度にとどまる。急激なDX化や人口減少など、外部環境の変化によって、職種や業界、所属企業の土台が揺らいでいる様を目にし、自分が頑張るだけではどうしようもできないという漠然とした不安感に苛まれているMRが多数に上っている。
調査では、「仕事やキャリアに関して、自身の将来について不安を感じますか?」との問いに、「感じる」、「感じない」の2択で回答してもらった。その結果、「感じる」と回答したのは94.7%、「感じない」は5.3%だった。
20~40代では、回答者全員が「感じる」と回答した。「中堅・若手社員にとって、製薬業界の将来性や業種(MR)の将来性に不安があるというのは死活問題」(内資系・50代)
との声が上がるなど、若手にとって業界の魅力が低下することで、さらに職種や業界の人気が低迷し、魅力の低減に拍車がかかる負のスパイラルを懸念する声もあった。
◎不安要因は職種などの環境面
MRが抱える不安の要因は何か― 。アンケートでは、職種の将来性や自身のスキルなど、その他を含む9つの選択肢のなかから、当てはまるものを全て選択してもらう方法で回答を得た。その結果、1人につき平均で3つの選択肢を選んでいることがわかった。
最多となったのは「職種の将来性」で全体の69.7%を占めた。次いで「会社の将来性」(53.9%)、「製薬業界の将来性」(48.7%)と続く。年代別で見てみると、職種や会社の将来性については20代・30代の若手で高い傾向が出た。反対に、業界の将来性については若手では低く、40代で高い傾向となった。また会社と製薬業界の将来性では、企業別で約20ポイントの差がついており、いずれも内資系企業で不安感が高く、外資系企業では低い傾向が出た。所属企業の開発パイプラインの状況が影響したと考えられる。
こうした職種や所属企業、業界全体に対する悩みは、自由回答でも多く寄せられた。MR数削減やMR不要論、早期退職制度の相次ぐ導入などを理由に挙げる人が多かった。なかには、「業界の先細りが予想され、MRの需要も少なくなるのではないか、人員削減が今後も続くのではないかという不安」(外資系・40代)、「入社時よりも売上が半減し、空気が悪く退職者が多い」(内資系・30代)、「MRは転職先としてもMRを選択しがちだが、製薬業界全体が低迷してしまった場合、転職して経験を活かせる場がなくなってしまうのではないか」(内資系・30代)との声もあった。
◎個人のスキル等への不安感 約3割にとどまる
一方、個人の評価やスキルに関する不安は、約3割にとどまった。「自身の雇用や評価」(35.5%)や、「給与、待遇」(34.2%)、「自身のスキル」(32.9%)、「売上など業務上のプレッシャー」(30.3%)と続いた。
「雇用や評価」「自身のスキル」については、年代別で顕著な差が出た。「雇用や評価」については、50代以上のMRで不安感を抱く人の割合が高く、約半数が選択した。また「自身のスキル」については、40代と50代が約3割にとどまったのに対し、30代では6割と高くなった。