「メガ・ユーザーフィー法」 調整が難航
公開日時 2011/02/24 04:00
米食品医薬品局(FDA)は、後発品ユーザーフィーやバイオシミラーユーザーフィーを新規に設定するための法律を制定するため、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)および医療機器ユーザーフィー法・近代化法((MDUFMA)を1本の法律、「メガ・ユーザーフィー法」に統合することを計画しているが、関係者の調整が難しく成案には難航が予想される。
連邦議会では、ユーザーフィーについてのヒアリングを秋に行う予定と伝えられ、PDUFAのほうは、予定通り審議が進むが、MDUFAのほうが難航しそうだと見ている。だが、議会スタッフは、ユーザーフィー制度は1つの法案に統合され、現在のユーザーフィー法の失効期限である2012年9月30日までには議会を通過すると見通している。
従来なかった後発品ユーザーフィー法(GDUFA)およびバイオシミラーユーザーフィー法(BSUFAと呼称か?)についてはまだ本格的な議論が始まっていないが、FDA長官室のPeter Beckman氏は、GDUFAの交渉は今月末から始まることを2月10日に明らかにした。一方、「米官報」(Federal Register)は、バイオシミラーユーザーフィーの交渉は今後数カ月以内に開催されると発表した。
交渉に当たり、バイオ先発品の団体であるバイオ産業協会(BIO)は、バイオシミラーユーザーフィーが、適切にFDAのリソースと時間に使われることを確認するために交渉の一部に参加させることを要求している。BIOは、FDAのリソースが先発品審査からバイオシミラー審査に流れることを懸念している。
後発品のユーザーフィーについても、米ジェネリック医薬品協会(GPhA)のほかに大手後発品メーカー数社が「後発品ユーザーフィー連合」(GDUFC)を結成、FDAの交渉団体が1団体ではなくなってしまった。
FDAは交渉相手が1つになることを望んでいるが、交渉相手が複数だと難航が予想される。2012年には大統領選が予定されているが、議会議員は、大統領選が絡み複雑になることを回避するために2012年6月までに議会を通過させることを望んでいるようだ。
(The Pink Sheet 2月14日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから