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旭化成・工藤社長 旭化成ファーマと米Veloxisの医薬事業完全統合へ 25年度中にグローバル経営体制に移行

公開日時 2024/05/21 04:51
旭化成の工藤幸四郎社長は5月20日の経営説明会で、2025年度末までに旭化成ファーマと米国Veloxis社の医薬事業を完全統合し、グローバル経営体制に移行する方針を明らかにした。24年度は、日米事業を統括するシングルリーダーの設置や日米の事業開発機能の統合などを行い、「One AK (Asahi Kasei) Pharma体制」への移行を準備する。工藤社長は、「強みとする疾患領域にフォーカスし、一つのグローバル戦略のもとで医薬事業のリソースを集約し、最適配分するということで利益成長の更なる加速を目指したい」と強調した。

◎徹底的にニッチに特化 医師の満足度・MR評価No.1が後ろ盾に

「我々の医薬事業は、ケミカルカンパニーの中から生まれた事業ですから、それなりの制約条件がある中で、どう発展させていくかを徹底的に追求した」-。工藤社長は経営説明会でこう振り返った。続けて、「徹底的にニッチに特化したところに攻めていこう。グローバルに展開していこう。そして経営体制もグローバルでやっていこうということで進めてきた」と指摘する。「その結果、Veloxis社も順調に伸びているし、(旭化成の医薬品が扱う)疾患領域に携わる医師の満足度・MR評価は旭化成がNo.1となった」と述べ、この数年間の医薬事業の施策に胸を張った。

◎免疫・移植領域にフォーカスしたグローバルスペシャリティファーマへの進化

この日の説明会で工藤社長は、次の成長を牽引する事業「Growth Gears(GG10)」の一つに医薬事業を掲げ、「免疫・移植の周辺疾患領域にフォーカスしたグローバルスペシャリティファーマへの進化」を目標に掲げた。その上で、「医薬事業には3つの特徴がある」と工藤社長は指摘する。一つ目は、免疫・移植、腎臓内科、重症感染症(免疫力低下患者)などのスペシャリティ領域へのフォーカスをあげ、「当該領域にフォーカスすることで、メガファーマと直接競合せず、臨床試験規模が比較的小さく、大きな営業部隊も不要なことから、過度なリスクテイクを避けた医薬事業が運営できていると考えている」と強調した。

2つ目の特徴は、「グローバルでの事業拡大」-。工藤社長は、「医薬の最大市場である米国を中心に事業拡大を進め、新たな事業基盤の獲得やパイプライン強化のための追加のM&A実施も視野に入れているところ」と明かしてくれた。同社がこの日示した医薬事業のマイルストーンには、「追加的M&Aの実施」が明記されている。

◎グローバル医薬事業「One AK (Asahi Kasei)ファーマ体制」構築へ意欲

そして3つ目の特徴に、「グローバル経営体制」の構築を掲げた。同社は2020年3月に米国Veloxis Pharmaceuticals Inc.の買収を完了させ、その後、23年まで米国と国内の売上と利益の拡大、事業開発と臨床開発におけるシナジー創出に努めてきた。工藤社長は、「2024年4月から日本の旭化成ファーマと米国Veloxis社の医薬事業統合した一つのグローバル医薬事業体制”One AK (Asahi Kasei)ファーマ体制”への移行を開始しており、2025年度末までの完全統合を予定しているところ」と明言した。なお、2018年度から24年度の年平均成長率(2社計)は売上高13%、営業利益(PPA償却前)30%を見込む。同社としては、25年度中の医薬事業の完全統合を実現させ、さらなる医薬事業の成長に期待を寄せている。





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