旭化成ファーマ 長瀬産業に診断薬事業、大仁医薬工場、大仁統括センター譲渡へ 原薬供給で受託契約も
公開日時 2024/09/27 04:50
旭化成ファーマは9月26日、同社の診断薬事業、大仁医薬工場および大仁統括センターを長瀬産業に譲渡すると発表した。最終契約は9月24日付。同社としては、医薬事業の継続的な拡大などグループ全体のポートフォリオの見直しを行う一方で、診断薬事業については、積極的な成長投資が可能な長瀬産業の傘下で事業を運営することが最も適切と判断した。譲渡対象の大仁医薬工場は、ブレディニン等の原薬製造も行っており、譲渡後も同社への医薬品原薬供給の継続を主な内容とする製造委受託契約を締結し、安定供給の責務を果たす方針だ。
長瀬産業への譲渡範囲は、①診断薬および診断薬用酵素の製造、開発および販売に関するすべての事業、②大仁医薬工場(診断薬用酵素原料、およびブレディニン等の医薬品の原薬製造工場)、③大仁統括センター(主に、診断薬事業および大仁医薬工場を含む大仁地区全体のインフラ管理組織)-。譲渡事業・組織の従業員については長瀬産業の新会社で雇用する。
一方で、大仁地区に属する医薬研究センター、医薬生産管理部などは譲渡の対象外で、旭化成ファーマの傘下に残り、引き続き大仁地区で業務を継続する。
◎効力発生日は2025年7月1日、譲渡に関する権利義務および大仁地区の土地と施設を会社分割
なお、旭化成ファーマの診断薬事業は、血糖、脂質、腎機能、肝機能などさまざまな診断薬用の酵素および体外診断用医薬品「ルシカGA-L2」等を製造販売している。一方で長瀬産業は、2012 年にナガセヴィータ(旧林原)をグループに迎えるなど、バイオテクノロジーへの深い知見も有している。譲渡スキームとしては、2025年7月1日を効力発生日として、譲渡に関する権利義務、および大仁地区の土地と施設を、会社分割(新設分割)により今後設立予定の新会社に承継させ、同日付で旭化成ファーマより長瀬産業に全株式を譲渡する。