田辺三菱 抗体の疼痛治療薬を導入 変形性関節症・腰痛症で開発へ
公開日時 2015/10/14 03:50
田辺三菱製薬はこのほど、米リジェネロン社が米国で変形性関節症の治療薬として開発している抗体医薬ファシヌマブについて、日本と韓国のほかアジア(中国除く)での独占的開発・販売権を取得したと発表した。田辺三菱は今後の開発計画は開示していないが、変形性関節症、慢性腰痛の治療薬として日本で開発するとしている。同社は、主力品にリウマチ治療薬を持っており、整形外科領域での製品拡充につながる。
ファシヌマブは、疼痛発生時に分泌されるNGF(Nerve Growth Factor)と結合し、NGFの作用を阻害することで疼痛を緩和させる作用を持つ抗NGF抗体。これまでのリジェネロン社の治験では、変形性関節症について、中等度から重度の疼痛を早期に緩和することが確認され、フェーズ2b/3の治験の開始に至ったという。
この契約締結で、田辺三菱はリジェネロン社に対して契約締結時一時金と当期中の支払い金を併せて5500万ドルを支払う。また、上市までに開発マイルストンと開発費の一部負担により最大1億7000万ドル、上市後は販売額に応じた一時金を最大1億ドル支払う可能性があるという。田辺三菱が10月2日に発表したもの。