杏林製薬は1月14日、フランスのBIODOL Therapeuticsとの間で、同社創製品の疼痛治療薬候補化合物・BDT272について、オプション契約を締結したと発表した。契約に基づき、杏林製薬は日本に加え、中国を除くアジア地域における開発・販売権のライセンスに係るオプション権を有する。また、BIODOL社に対してオプションフィーを支払うほか、オプション権を行使した場合は契約一時金や、開発から発売までの進展に応じたマイルストン、発売後の正味売上高に対するロイヤリティを支払う。

BDT272は、神経障害性疼痛などの慢性疼痛の発症と持続に深く関与するFLT3（受容体型チロシンキナーゼファミリー）を阻害することで、効果的な鎮痛作用を発揮すると考えられる。杏林製薬は創薬研究領域の一つとして疼痛領域に注力しており、「BDT272を開発し販売することにより、新たな治療選択肢を疼痛で苦しむ患者さんに提供できることを期待している」としている。

なお、今回の契約が2025年3月期連結業績予想に与える影響は軽微だという。