TXP Medical 生成AIによる自動医療文書作成システムを横須賀共済病院と亀田総合病院にトライアル導入
公開日時 2025/04/11 04:49
TXP Medicalは4月8日、生成AIによる自動医療文書作成システム「NEXT Stage Document Assistant(NSDA)について横須賀共済病院と亀田総合病院でトライアル導入を開始したと発表した。カルテデータから「退院サマリ」、「転科サマリ」、「紹介状(診療情報提供書)」などの医療用文書を自動生成するというもの。医療現場の負担となっている複数文書作成業務を大幅に軽減することで、医療従事者の業務効率化と医療現場の負担軽減に寄与したい考えだ。
同社が開発したNSDAは、電子カルテに記載された入院から退院までの診療情報を基に、生成AIが自動で退院サマリや診療情報提供書などの医療文書を作成できる業務支援システム。オンプレミス環境で稼働し、電子カルテに登録されたカルテテキストや入退院記録、種々の検査値情報を基に、生成AIと自社開発した独自アルゴリズムが、退院サマリや診療情報提供書などの医療文書の作成を支援する。
◎病院勤務医の診療に係る事務作業「最大4時間弱」の負担軽減に挑戦
病院勤務医の診療に係る事務作業の時間は最大4時間弱とされ、医療文書作成にかかる時間がその大半を占めており、診療の合間や勤務時間外で作成しているのが現状という。同社は、2024年4月の厚生労働省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)」の、「AI(人工知能)ホスピタル実装化のための医療現場のニーズに即した医療 AI 技術の開発・実証」において、横須賀共済病院の協力の元、NSDAの基礎となる技術を開発。このたび社会実装フェーズとして製品をリリースするとともに、横須賀共済病院に加えて亀田総合病院でのトライアル導入を開始する運びとなった。
今後、同社は、「看護サマリ」、「症状詳記」といった医療文書の対応範囲拡大を進めるほか、院内設置するGPUサーバーを活用し、各種自動化サービスとの連携および応用によるレジストリ登録の自動化や音声入力による医師記録の自動作成なども取り組む予定。引き続き、医療従事者の業務効率化と現場の負担軽減、さらには医療データの利活用を同時に実現するソリューションの提供を通じ、日本の医療の最適化と新たな道筋を描きたいとしている。