住友化学・トップ人事 新社長に水戸信彰専務執行役員 岩田氏は代表権ある会長に
公開日時 2025/02/04 04:49
住友化学は2月3日、水戸信彰専務執行役員が社長に昇格するトップ人事を発表した。現代表取締役社長の岩田圭一氏は代表権のある会長に就任する。いずれも4月1日付。なお、6月開催予定の定時株主総会及びその後の取締役会を経て、水戸氏は代表取締役社長に就任する予定。社長交代は6年ぶり。
今回の社長交代にあたり、取締役会の諮問機関である役員指名委員会で複数の候補者を対象に議論を重ねた。同委員会では、住友化学の再成長への回帰を確実なものにするとともに、財政基盤を強化していく上で求められる社長の要件として、(1)ビジョン構築・実行、(2)組織統率、(3)変革する力、(4)技術への洞察力、(5)国際性・コミュニケーション力――が最重要の資質であるとの認識を共有。そうした観点から適任者について委員間で意見を交わしてきた。
住友化学は24年3月期(23年度)に過去最大となるコア営業損失1490億円、純損失3118億円を計上した。この大幅赤字は子会社の住友ファーマの不振によるもの。今期は住友ファーマの収益改善により住友化学も黒字化の見通し。新体制にすることで再成長への回帰を確実なものとし、4月からの新中期経営計画に取り組む。なお、住友化学グループが今後注力する4セグメントは食糧や再生・細胞医薬などだが、「低分子医薬品の創薬は、当社とのシナジーが見つけにくい分野」(岩田社長)との理由から、住友ファーマは注力セグメントから外れている。
【水戸信彰(みと のぶあき)氏 略歴】
1985年に名古屋大学大学院修了、住友化学入社。知的財産部長などを歴任後、20年4月に常務執行役員健康・農業関連事業部門統括、同年6月に代表取締役常務執行役員。24年6月に専務執行役員、25年2月から専務執行役員アグロ&ライフソリューション、アドバンストメディカルソリューション部門統括(現職)。64歳。広島県出身。