「世の中の役に立つくすりをつくる」―。この創業者の使命感のもと、1925年に創業した中外製薬は3月10日、100周年を迎えた。奥田修代表取締役社長CEOはコメントを発表し、これまでの歩みを「挑戦の連続」と振り返りつつ、「今後も世界の医療と人々の健康へ貢献するために、同じ想いを共有する世界中のステークホルダーとの共創により新しい価値を生み出すことが重要だ」と強調。さらに、「イノベーションの源泉は『やっぱり、ひと』」にあるとして、「患者さんのために、また社会課題の解決に向けて、自分が何をすべきか主体的に考え、真摯に取り組む社員を、当社は惜しみなく全面的にサポートする」と訴えた。


中外製薬は1923年の関東大震災の惨状を目の当たりにした創業者の上野十藏が、志を同じくする従業員７人とともに創業。思いは脈々と受け継がれ、従業員数はグループ全体で7778人（2024年末時点）にまで成長した。イノベーションへの挑戦では、70年代の自社独自の新薬開発を皮切りに、80年代にはバイオ医薬品、90年代には抗体創薬にも展開。2002年にはスイス・ロシュ社との戦略的アライアンスを契機に創薬技術開発をさらに加速させ、現在も中分子創薬への挑戦が続けられている。（写真は中外製薬ニュースリリースから転載）

◎記念プロジェクトを展開　社員の思いを形にする「My Action宣言」をスタート

創業100周年に合わせて、同社では記念プロジェクトを展開する。社員向けには、達成したい未来への想いを全社員と共有し、その実現を同社が支援する「My Action宣言」をスタートさせる。社会に向けては、コーポレートサイトをリニューアルして「創業100周年サイト」を公開。100周年記念式典の開催や社会貢献活動のパートナー団体との協働企画なども計画しているという。

奥田社長は「世界中の命を輝かせるために、私たちらしく、まっすぐに、大胆に。『創造で、想像を超える。』というスローガンのもと、中外製薬グループ一同、引き続き邁進していく」と決意を込めた。