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【中医協総会 9月25日 議事要旨 高額医薬品(認知症薬)に対する対応について 質疑】

公開日時 2024/09/26 05:57
中医協総会が9月25日に開かれ、高額医薬品(認知症薬)に対する対応について議論した。本誌は、診療・支払各側委員の質疑について発言内容を議事要旨として公開する。



(事務局説明 略)

小塩会長:はい、ありがとうございました。それではただいまの説明につきまして、ご質問等ありますでしょうか? 長島委員お願いいたします。

長島委員:はい、ありがとうございます。論点についてコメントします。9月24日に薬事承認された新規のアルツハイマー病治療薬ケサンラの薬価収載に向けて、レケンビと同様の進め方で中医協において検討していくとの提案でありますが、両医薬品の類似性を踏まえ、今回示された論点に異論ありません。

小塩会長:続きまして森委員お願いいたします。

森委員:はい、ありがとうございます。資料「総―1」(高額医薬品「認知症薬」に対する対応)の9ページ目(新規のアルツハイマー病治療薬の薬価収載に向けた論点等)に示されている点についてですけども、ケサンラの薬価収載に向けた議論の進め方や今後開発される可能性のあるアルツハイマー病治療薬への対応については異論ありません。ケサンラについては本剤の治験や承認の状況などの特性を踏まえつつ、レケンビのときの議論と同様に進めていくべきだと考えます。以上です。

小塩会長:ありがとうございます。それでは松本委員お願いいたします。

松本委員:ありがとうございます。それでは資料「総―1」9ページの論点に沿ってコメントいたします。

まずケサンラの薬価収載の対応につきましては、資料を拝見いたしますと投与頻度以外はレケンビとほぼ同じということですので、事務局からご提案の通り同様の手順で議論を進めることに異論はございません。

ただ、ケサンラとレケンビは資料「総―1」の5ページ(ケサンラとレケンビの効能効果及び作用機序)にあります作用機序を拝見しますと、作用のポイントが若干異なる部分もあり、場合によっては2剤を併用、あるいはレケンビが終わった後にケサンラを使用するという可能性も否定できないのではないかというふうに思っております。

2つの薬が完全に市場を分け合う形になるのか、市場が拡大していくのかといったことも慎重に見ていく必要があるというふうに考えております。

また将来的な課題になるかもしれませんが、どちらを優先的に使うのかといったことも含め、レケンビの最適使用推進ガイドラインを見直し、2剤の使い分けを整理することも専門家の視点で十分な検討をお願いし、ご説明をいただければというふうに考えております。

次に論点の2つ目につきましては、同じようなアルツハイマー病治療薬が出てきた場合、複数の薬剤で市場を分け合うことになったとしても、全体としては徐々に市場規模を拡大していけばやはりトータルで保険財政に大きな影響を与えることが想定されます。

先ほど申し上げましたが、使い分けの整理に加えて、市場拡大再算定のあり方につきましても議論する必要があるというふうに考えております。私からは以上でございます。

小塩会長:はい、ありがとうございます。他はいかがでしょうか? 佐保委員お願いいたします。

佐保委員:はい、ありがとうございます。私も資料「総―1」の9ページの論点について異論はございません。なおレケンビを使用した後に、プラークの減少を目的にケサンラを使用することがあるかどうかについては、今後の状況を見てみないとわからないかもしれませんが、今後、認知症の方が増加すると予想される中で、新しい治療薬が次々と開発され、こうした中で、使用範囲や方法が広がることも考えられます。

これからも注意深く状況を見ていきたいというふうに考えております。私から以上です。

小塩会長:はい、ありがとうございました。事務局よろしいですか。

事務局:薬剤管理官でございます。先ほど松本委員、佐保委員のご意見でございますが、ごもっともでございます。1点目の松本委員の2剤の使い分けにつきまして、ご指摘の箇所はとても重要なことだと思っています。他方、佐保委員もおっしゃったみたいに、まだ2剤が実臨床において使用されてまだ実績がないということもありますので、今後の課題かとは思っておりますが、可能な限り今回の段階でも検討できれば検討を進めていきたいと思っております。

2つ目の松本委員からのご指摘であります。佐古委員もご指摘されましたけど、今後開発される類似薬も含めました市場のあり方につきまして、市場拡大再算定のようなものが現行のルールで対応できるのかどうかも含め、次期制度改革等で検討したいと考えております。

小塩会長:ありがとうございました。他はいかがでしょうか? 永瀬委員お願いいたします。

永瀬委員:前回ご説明を受けたのですけれども、これらの薬剤は進行を若干遅くする薬剤であるとうかがったのですけれども、今後、認知症患者が非常に増えていくとの予想がある中で、先ほど佐保委員や松本委員もおっしゃっておられましたけれども、どのぐらい国民負担になっていくのかの試算について、どのような予定なのか教えてください。

小塩会長:事務局いかがでしょうか?

事務局:薬剤管理課でございます。ご指摘ありがとうございます。それぞれ薬価収載するときには企業の市場規模予測が、個別の医薬品で出ております。それで個別の医薬品を見ていくのかなというふうに考えています。また佐保委員、松本委員、永瀬委員ご指摘のように市場全体、領域全体の市場規模、これについても今後どういうふうな評価が必要なのか見ていかなければいけないと思います。

前例でオプジーボ、キイトルーダなど大きな抗がん剤の領域がありますが、今のところ個別のルールがある中で、市場拡大再算定である程度コントロールされておりますので、新しい領域であります認知症領域が今のルールで対応可能なのか、対応可能でなければどういうふうな対応が必要なのか、この場でご議論していただければと思っております。

いずれにいたしましてもレケンビは市場規模の推移は随時ウォッチすることになっておりますので、何か大きな変化等あれば報告し、ご検討いただこうと考えております。以上でございます。

小塩会長:ありがとうございました。他にご質問等ないようでしたら本件に関わる質疑はこのあたりといたします。中医協総会といたしまして、資料「総―1」9ページの論点に示された方針にて検討を進めることとしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか?

ありがとうございます。それでは、本議題に関しましては、薬価専門部会および費用対効果評価専門部会で議論していただき、その結果を総会に報告していただくようにお願いいたします。

今回いただいたご意見に関しましてはそれぞれの部会における検討の参考とするようにお願いいたします。本日の議題は以上となります。次回の日程につきましては追って事務局よりご連絡いたします。それでは本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

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