【中医協総会 1月15日 議事要旨 令和7年度薬価改定、改定時加算、期中の診療報酬改定について】
公開日時 2025/01/16 04:50
中医協総会が1月15日開かれ、令和7年度薬価改定、改定時加算、期中の診療報酬改定について議論した。本誌は、診療・支払各側委員の質疑について発言内容を議事要旨として公開する。
(医療機器の保険適応について 略)
小塩会長:続きまして、「令和7年度薬価改定について」を議題といたします。先ほど開催されました薬価専門部会におきまして取りまとめがなされましたので、それにつきまして事務局より説明をお願いいたします。
(事務局説明 略)
小塩会長:はい、ありがとうございました。それではただいまの説明につきましてご質問等ございますか?
高町委員:算定基準とは直接関係のないことですが、今年度中の新薬の薬事承認が年7回程度に増やす方針と聞いております。これは患者にとっても非常にメリットが大きいことだと思います。それに伴い新薬の薬価収載も年7回程度に増やす予定なのでしょうか?
また、それに伴って四半期再算定の回数も何回程度に増やす予定なのでしょうか? また、新薬の収載時期を23年に4月から3月に前倒しした経過があるかと思います。今回についてはどうなるのでしょうか。教えていただければと思います。
小塩会長:ありがとうございました。それでは事務局ご回答お願いいたします。
事務局:薬剤管理官でございます。年7回薬事承認されるということになりますので、薬事承認されてから薬価収載までの期間が定められており、それに応じて7回の収載を考えております。最後の質問にもなりますが、12月に薬事承認されておりますので、60日、遅くとも90日ということになりますので、今は90日の方で収載するべく準備をしているところでございます。ですから3月収載を考えているというようなことになります。
2つ目のご質問でありました薬価の収載が7回になるのであれば、市場拡大再算定も7回になるのではないかというご質問と承知いたしますが、こちらの方は作業等もありますし、今まで年4回という定期的にやっているものでございますが、事務的作業もかなり煩雑になるということも考えられ、制度全体の運用の中でどのように進めていけばいいのかというところについて、検討が必要なものかと理解をしております。回答は以上でございます。
小塩会長:はい、ありがとうございます。高町委員よろしいでしょうか?
高町委員:はい、回数もできれば増える、多い方が望ましいかと思いますので、今後ご検討いただければと思います。ありがとうございます。
小塩会長:はい、ありがとうございました。他によろしいでしょうか? 他にご質問がないようですので、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいでしょうか?
(各側了承)
小塩会長:ありがとうございます。それでは説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。
続きまして「改定時加算について」を議題といたします。本日は、薬価算定組織の弦間委員長にお越しいただいております。弦間委員長よりご説明をお願いいたします。
弦間委員長:薬価算定組織の弦間でございます。前委員長の前田先生のご退任に伴いまして昨年12月から薬価算定組織の委員長を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。それでは私から今回の薬価算定組織において検討いたしました改定時加算の対象品目についてご報告申し上げます。
中医協資料「総―3」(改定時加算の対象品目について)をご覧いただきたいと思います。薬価算定組織における検討の結果、令和7年薬価改定時の加算に該当する品目は21成分、45品目となりました。その内訳でございますけれども、小児適応の効能追加等に係る加算は13成分26品目、それから希少疾患の効能追加等に係る加算は4成分7品目、先駆的な効能追加等に係る加算につきましては1成分2品目、迅速導入による効果追加等に関わる加算につきましては2成分2品目、真の臨床的有用性の検証に係る加算につきましては1成分6品目となっております。
個々の品目の対象による効能効果等、また加算の種別、加算率につきましては資料にお示しした通りでございます。以上でございます。
小塩会長:ありがとうございました。それでは事務局から追加のご説明ありますでしょうか?
事務局:薬剤管理官でございます。先ほどご説明いただきました資料「総―3」について補足説明をさせていただきます。今回令和6年度薬価制度改革を踏まえた考え方に基づき実施するということで、令和6年度薬価制度改革で追加されました迅速導入加算に該当する品目が2品目ございます。具体的にはNo.11のアレセンサカプセル150mg、No.18のブレヤンジ静注でございます。加算率に関しましては、国内外での同時開発、症例数等による治験の実施の困難さ等を踏まえ、柔軟に判断する方針を今回も継続しております。
今回の改定時加算に伴いまして、新たに新薬創出等加算に該当する品目として6品目ございます。具体的には、No.1のフィンテプラ内用液 2.2mg/mL、No.2のエンレスト錠、No.15のオゼンピック皮下注2ml、No.20のウィフガート点滴静注400㎎、No.21のトレプロスト吸入液1.74mg、No.22のレルベア100エリプタ吸入用という6品目がございました。
薬価改定時におきましてもイノベーションの評価の充実という方向性の中で、今回どのような対応になったのかをお示しするため、中医協にご報告させていただいたものになります。私からのご説明は以上でございます。
小塩会長:ありがとうございました。それでは、以上の説明につきまして、ご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。それでは松本委員お願いいたします。
松本委員:はい、ありがとうございます。ルールに基づきまして粛々と対応するということですので、個別の薬剤についてのコメントはいたしませんけども、薬剤の位置づけとして、医療現場で求められているイノベーションがどのようなものか、あるいは真の臨床的な有用性とは何かということにつきましては、次期薬価制度改革の中でも継続して議論する必要があるということは指摘したいと思います。私から以上でございます。
小塩会長:ありがとうございました。他にご質問ご意見ありますでしょうか?よろしいでしょうか。特にご質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか?
(各側了承)
小塩会長:ありがとうございます。それでは説明のあった件につきましては中医協として承認したいと思います。弦間委員長どうもありがとうございました。
(歯科用貴金属価格の随時改定について 略)
小塩会長:続きまして、「中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について(諮問)」を議題といたします。本日、厚生労働大臣より諮問がなされておりますので、事務局より資料の説明をお願いいたします。
事務局:医療課長でございます。資料「総―5」をご覧ください。入院時の食事基準額の取り扱い、口腔機能指導加算および歯科技工士連携加算の取り扱い、並びに特定薬剤管理指導加算の取り扱いに関して中央社会保険医療協議会・小塩会長に対しまして、福岡資麿厚生労働大臣より諮問書が出されております。
健康保険法第82条その他関係法令の規定に基づき、入院時の食事基準額の取り扱い、口腔機能指導加算および歯科技工士連携加算の取り扱い、並びに特定薬剤管理指導加算取り扱いについて、貴会の意見を求めます。なお、答申に当たっては別紙として添付しております令和6年12月25日の大臣折衝事項に基づき行っていただくよう求めます。
以上の内容でございます。なお意見をお願いします内容につきましては前回12月25日にもご審議をいただいておりまして、その内容は資料「総-5参考」に添付をさせていただいております。また、本諮問に基づく答申のご審議につきましては、近日中の総会で賜りたいと考えております。以上でございます。
小塩会長:はい、ありがとうございました。それではただいまの説明につきましてご質問等ありますでしょうか? はい、長島委員お願いいたします。
長島委員:ありがとうございます。前回12月25日に、大臣折衝事項の報告に基づき、厚生労働省から提案があり、両側から了承の旨の意向が示されたものであり、繰り返しになりますが、資料「総―5参考」9ページの入院時の食費の基準の見直し案は、この時点での現状を踏まえた必要な対応であり、医療の質の維持向上のために、時期に即した評価であると受け止めております。
なお、物価高騰や賃金上昇に報酬が追いついていない状況にありますことから、物価、賃金上昇にタイムリーに対応する何らかの仕組みの導入が必要ではないかと考えており、今後の対応について、今後、中医協で議論が必要であると考えております。私からは以上です。
小塩会長:はい、ありがとうございました。他にご意見ご質問等ありますでしょうか? よろしいでしょうか? 他にご質問等ないようですので本件に係る質疑はこのあたりとさせていただきます。今後事務局におかれましては、本日いただいたご意見も参考にしながら対応していただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。次回の日程につきましては追って事務局よりご連絡いたします。それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。