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米・バイデン政権 処方薬10品目の薬価引下げで合意 ジャヌビア79%削減 26年1月適用 60億ドル削減へ

公開日時 2024/08/21 04:52
米バイデン政権は8月15日、公的医療保険のメディケアで製薬企業と薬価引き下げ交渉の対象となっていた最初の処方薬10品目の交渉薬価を発表した。抗凝固薬エリキュース、イグザレルト、糖尿病治療薬ジャディアンスなどが含まれ、削減率はイムブルビカの38%から、最大でジャヌビアの79%と製品ごとに異なる。新しい薬価は2026年1月1日から適用される。バイデン政権は1年間で60億ドルの削減(患者負担額では15億ドルの削減)を見込んでいる。(米国発・森永知美)

メディケアは、65歳以上の高齢者や特定の障害のある人などを対象とした連邦医療保険プログラムで、約6600万人が加入する。これまでメディケアは医薬品の価格交渉を行うことが禁止されていたが、2022年に成立したインフレ抑制法、通称IRA(Inflation Reduction Act)に薬価制度改革が盛り込まれ、ジェネリック薬やバイオシミラーの競合がない特定の高額医薬品について、製薬会社と直接薬価の引き下げ交渉が行えるようになった。

バイデン政権は2026年の価格適用に向け、メディケア・パートD(小売処方薬プログラム)の対象となる最初の10品目を2023年8月に選定。約1年に渡り製薬企業と価格交渉を行っており、今月初め全ての企業と合意に至った。これら10品目はパートDのなかで最も支出額が高い医薬品で、メディケアを管轄するCenters for Medicare & Medicaid Services (CMS)によると、2023年の総費用は562億ドル。これはパートD全体の約20%に相当する。パートDには約5千万人が加入している。

◎製薬業界 違憲を訴え提訴も一部は裁判所により却下 

ただ、現在も卸売業者や販売業者などを通じ、割引やリベートなどで薬価は値引きされており、実際の削減率はより小さくなるとの観測も聞かれる。

製薬業界は、この価格交渉に対して強く反発してきた。昨年CMSからガイダンスが発表されて以来、メルク、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、米国商工会議所、また業界ロビー団体の米国研究製薬工業協会(PhRMA)などが、違憲であるとして連邦政府を提訴した。このうち一部は裁判所により既に却下されている。

◎2027年適用のPart D処方薬 来年中に最大15品目を追加 さらに毎年20品目追加へ

薬価交渉の対象薬は今後も毎年追加される。来年は2027年に適用するPart Dの処方薬を最大15品目発表し、2026年はPart B(院内処方薬)とPart Dの医薬品最大15品目を追加、その後は毎年最大20品目ずつ追加していく予定。
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