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厚労省・後発品承認 初後発は8成分 エクア後発品に9社9品目 オングリザ、プラケニル、スーテントにも

公開日時 2024/08/15 20:10
厚生労働省は8月15日、後発医薬品として24成分64品目を承認した。後発品として初めて承認されたもの(以下、初後発品)は8成分で、この中にDPP-4阻害薬のエクア錠(一般名:ビルダグリプチン、ノバルティスファーマ/住友ファーマ)やオングリザ錠(サキサグリプチン、協和キリン)の後発品が含まれる。ミクスの集計では、エクア後発品は9社9品目、オングリザ後発品は1社2品目が承認された。先発品エクアを販売する住友ファーマは後発品が12月に参入してくることを想定している。12月の薬価追補収載を経て、DPP-4阻害薬にも後発品が登場する可能性が高まったといえそうだ。

文末の「関連ファイル」に、初後発品8成分の一覧表を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。

エクア後発品の承認取得企業は、キョーリンリメディオ、沢井製薬、全星薬品、ダイト、辰巳化学、東和薬品、日新製薬、ニプロ、日本ジェネリック――の9社。いずれも50mgの通常錠で承認を取得した。オーソライズド・ジェネリック(AG)が含まれているかは不明。後発品の新規収載時の価格に関しては4月以降、内用薬について組成、剤形区分、規格が同一の後発品の銘柄数が「7を超えた場合」は0.4掛け(=40%)とするルールになった。エクア後発品の薬価収載希望社数によるが、エクア後発品にこのルールが初めて適用される可能性がある。

オングリザ後発品は沢井製薬が2.5mg錠と5mg錠の2規格で承認を取得した。

DPP-4阻害薬の後発品をめぐっては、サワイグループホールディングス子会社のメディサ新薬が2023年8月にジャヌビア錠(シタグリプチン、MSD)の後発品の承認を取得しており、現在、DPP-4阻害薬の3成分で後発品が承認されている状況にある。ただ、ジャヌビア後発品はMSD関連会社と特許係争中ということも影響してか、23年12月、24年6月の薬価追補収載はスキップしている。

◎プラケニル後発品 沢井製薬と第一三共エスファが承認取得

エクア、オングリザ以外の初後発品は、▽免疫調節剤・プラケニル錠(ヒドロキシクロロキン、サノフィ/旭化成ファーマ)、▽高脂血症治療薬・ロスーゼット配合錠(オルガノン/バイエル薬品)、▽局所麻酔剤・アナペイン注(ロピバカイン塩酸塩水和物、サンドファーマ/サンド)、▽機能性ディスペプシア治療薬・アコファイド錠(アコチアミド塩酸塩水和物、ゼリア新薬)、▽ニューモシスチス肺炎治療薬・サムチレール内用懸濁液(アトバコン、グラクソ・スミスクライン)、▽抗がん剤・スーテントカプセル(スニチニブリンゴ酸塩、ファイザー)――となる。

プラケニル後発品は沢井製薬と第一三共エスファの2社2品目が承認された。後発品も先発品と同様、皮膚エリテマトーデスと全身性エリテマトーデスの適応を持つ。ロスーゼット後発品は沢井製薬と日本ジェネリックの2社2品目が承認された。後発品の製品名は「エゼロス配合錠」。

◎アコファイド後発品はAGの可能性

これら以外は1社参入となる。アナペイン後発品はテルモの2品目、アコファイド後発品はゼリアップの1品目、サムチレール後発品は三和化学の1品目、スーテント後発品は日本化薬の1品目が承認された。このうちアコファイド後発品の承認を取得したゼリアップは、先発品を手掛けるゼリア新薬の100%子会社で、このアコファイド後発品はAGの可能性がある。

なお、厚労省によると、初後発8成分の適応症は全て、先発品と一致している。

◎イグザレルト後発品に6社14品目 先行承認のAGと適応異なる

24年8月承認では、抗凝固薬・イグザレルト(リバーロキサバン、バイエル薬品)の後発品として6社14品目が承認された。承認取得企業は沢井製薬、辰巳化学、東和薬品、日医工、ニプロ、日本ジェネリック――となる。全社がOD錠の10mg及び15mgの2規格の承認を取得し、これに加えて沢井製薬は通常錠でも2規格の承認を取得した。

バイエルホールディング100%子会社のバイエル薬品販売が22年2月にAGの承認を取得しており、今回は通常の後発品(GE)の承認となる。

ただ、先発品の計5つの適応のうち3つが再審査期間中のため、後発品はいわゆる“虫食い効能”なうえ、現時点ではAGとGEでも適応は異なる。AGは、▽非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制(SPAF)、▽深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制」(成人VTE)――の2つの適応を持つが、GEはSPAFの適応でのみ承認された。成人VTEに特許が残っていることが理由で、GEの承認を取得した東和薬品は本誌取材に、「(先発品企業から)特許に関する謹告も出ており、(謹告を)尊重する形にした」とコメントした。

イグザレルト後発品の薬価については、AGとGEを全て合わせると同一規格で8品目となるため、0.4掛けルールが適用される可能性がある。

【訂正】下線部の表記に誤りがありました。修正しました。(8月16日13時15分)
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