ノーベルファーマ 自己免疫性肺胞蛋白症治療薬・サルグマリン吸入用を発売
公開日時 2024/07/30 04:49
ノーベルファーマは7月29日、自己免疫性肺胞蛋白症治療薬・サルグマリン吸入用250μg(一般名:サルグラモスチム(遺伝子組換え))を発売した。サルグマリンは、自己免疫性肺胞蛋白症を効能・効果とする医薬品として、世界で初めて有効性と安全性が示された吸入剤。用法・用量は、「通常、成人にはサルグラモスチム(遺伝子組換え)として125μgを1日2回、ネブライザーを用いて7日間連日吸入投与し、7日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す」。12クールを目安に有効性と安全性を評価し、投与継続について判断する。
自己免疫性肺胞蛋白症は、顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子に対する自己抗体の過剰な産生により肺胞内に不溶性の物質が蓄積することで呼吸不全が引き起こされる。国の指定難病で、国内の推定患者数は約730~770人とされる。
サルグマリンは、吸入により肺胞マクロファージに直接作用してその成熟を促し、成熟マクロファージによる肺サーファクタントを含む老廃物の分解を促進することで、肺機能を改善することができる吸入用薬剤。本剤の吸入療法は、現在の治療法の区域肺洗浄又は全肺洗浄に比べて侵襲性が低く、在宅治療もできる。
同社は、「本剤は臨床現場で『薬物治療』という新たな治療選択肢になるとともに、自己免疫性肺胞蛋白症の治療満足度向上に貢献できる有意義な薬剤と確信している」とコメントしている。
現在の治療法の区域肺洗浄又は全肺洗浄は、全身麻酔下で肺に生理食塩液を注入して蓄積した老廃物を洗い流す手術であり、術後に速やかな症状改善が期待できる。ただ、入院を必要とする侵襲性が高い治療法であることや、熟練の専門医がいる医療機関に治療機会が制限されることが臨床上の課題となっている。