田辺三菱製薬は７月29日、希望退職制度を実施すると発表した。対象者は2025年1月1日時点で45歳以上かつ勤続年数5年以上の従業員約2200人で、募集人数を定めず実施する。「継続的に企業価値を高めるには、国内の事業基盤を維持しつつ、北米を中心とした成長市場の事業をより一層強化することが必要」として、国内の事業構造改革に着手する。対象部署は非開示だが、「特定の部署をスリム化したいわけではない」（同社PR部）としている。同社が希望退職制度を実施するのは08年、15年に続き、３回目となる。

◎募集期間10月1日から10月11日（予定）　退職日は12月31日

希望退職制度の募集期間は、10月1日から10月11日（予定）までで、退職日は12月31日。退職者には、通常の退職金に割増退職金を加算して支給。希望者に対しては本人に再就職のための支援会社を紹介し、最長２年間の再就職支援のための費用を会社が負担するとしている。

◎“専門性の高い人材、多様な人材が活躍できる組織”の実現で人材ポートフォリオ見直し加速

同社は、希望退職制度を実施する理由について、製薬業界を取り巻く環境が厳しさを増す中で、自社創薬型の製薬企業として、希少疾患を中心とした研究開発に注力し、成長市場である北米での事業強化および安定した経営基盤の構築と経営資源の最適配分を推進してきたと説明。一方で、「継続的に企業価値を高めるには、国内の事業基盤を維持しつつ、北米を中心とした成長市場の事業をより一層強化することが必要であり、成長戦略と構造改革を両輪で進めていくことが不可欠だ。グローバル市場で成長する企業をめざし、“成長戦略実行に必要なケイパビリティを持つ人員”の配置、“専門性の高い人材、多様な人材が活躍できる組織”の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しを加速させるため、今般、本制度の実施を決定した」としている。