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武田薬品・宮柱JPBUプレジデント 顧客体験活かす「Go-to-Marketモデル」コアブランドの成長実現へ

公開日時 2024/07/26 04:52
武田薬品ジャパンファーマビジネスユニット(JPBU)の宮柱明日香プレジデントは7月25日、メディアとのグループ取材に応じ、顧客エンゲージメントの強化を通じてコアブランドの成長を実現する「Go-to-Marketモデル」に注力する方針を示した。データ・デジタル&テクノロジーを活用することで、医療従事者の顧客体験を向上させるだけでなく、JPBUの従業員体験までも向上させるというもの。宮柱プレジデントは、「顧客エンゲージメントを高めて、そこから得られたデータがフィードバックされ、さらに精緻化された情報活動、価値を高める活動を実現する方向に動いている」と自信をのぞかせた。同時にJPBUの組織も、「フラット化が進んでいる」と述べ、特にブランドチームは、マーケティング、メディカル、ペイシェントアクセスなど組織の枠を超えてバリュー(価値)を生み出す活動へのシフトに期待を寄せた。

◎MRとしてスタートを切った宮柱プレジデント

宮柱プレジデントは2004年に武田薬品に入社し、MRとしてスタートを切った。この日のグループ取材でも宮柱プレジデントは、「私自身がMRとしてキャリアをスタートさせた背景もある。この時代にデータ・デジタル&テクノロジーを使いながら、より顧客体験を上げて顧客への価値をお届けしたい。そういったことを追求する組織であることを一つ目の柱に掲げている」と意気込んだ

◎今年度は4製品の上市、コロナ変異株に対応したヌバキソビッドのローンチに期待

JPBUが直面する課題は、日本の国内市場におけるリーディングカンパニーとしてのプレゼンス最大化だ。宮柱プレジデントは、「ここ数年でスペシャリティケアに対するポートフォリオへのシフトを完了した。アジルバのLOE等で厳しい状況にあるのは確かだが、今年度は4製品の上市、そしてヌバキソビッドのコロナの変異株に対応したワクチンのローンチといった国民の公衆衛生に貢献するようなプロダクトを順次上市することができる」と述べ、「まずは革新的な医薬品の上市を着実にやっていくことが重要だ」と強調した。

また同時に、「既存製品の中でも比較的マーケットグロースよりも強い成長を示す製品も多くある。新製品の上市と既存製品をしっかり根付かせることで成長への鍵ができるものと見込んでいる」と意欲を示した。

◎顧客体験および従業員体験の向上を通じて顧客エンゲージメントを強化

その上で、宮柱プレジデントが意欲を示すのが「Go-to-Marketモデル」の推進だ。顧客体験および従業員体験の向上を通じて顧客エンゲージメントを強化し、コアブランド製品の成長を実現するというもの。このための組織体制として、①ビジネスユニット部門(消化器系疾患事業部、希少疾患事業部、神経精神疾患事業部、ワクチン事業部)、②ビジネスファンクション部門(コマーシャルエクセレンス部、データ・デジタル&テクノロジー部、流通・地域アクセス統括部、医療政策・ペイシェントアクセス部)、③ビジネスパートナー部門(事業戦略部、人事部、ファイナンス部、JPBUエシックス&コンプライアンス)―の3部門が連動している。宮柱プレジデントは、「失敗を恐れずに果敢にチャレンジする組織風土を奨励し、様々な専門性を持った部門が連携協働しながら我々の目標に向かってチーム一丸となって協力する体制を目指す」と指摘。加えて、「迅速かつ適切な意思決定ができるような形でエンパワーしていく」と述べ、JPBUにおける働き方の概念を統一したことを明かした。

◎「この2年間をみると組織のフラット化は進んでいると思う」

さらに、「いま私が注力したいと思っているのが“Amplify Customer Exprerience”だ」と語り、「今回コマーシャル・エンゲージモデルを考えるに当たって大事にしているのは顧客体験の向上のみならず、従業員自身の体験の向上に強くコミットメントしているところ」と指摘。「カスタマーフェイシングロールの役割を持ったメンバーが、一元的に管理された情報とか、もっともっとタイムリーに現れる情報を使いこなす、駆使できるフロントの準備も行っている」と明かしてくれた。また、組織論についての見解を示し、「この2年間をみると、組織のフラット化は進んでいると思う」と印象を語った。特に「ブランドチーム」については、グローバルチームとの連携や、マーケティング、メディカルなど部門の「枠」を超えたクロスファンクションの取り組みに発展することなどに期待感を示した。

◎これからのMRについてのメッセージ

最後にMR経験者の立場でこれからのMRについて語って頂いた。宮柱プレジデントは、「MRの本質的な役割は変わらないと思っている」と言い切る。ただ、MRに限らず、医師の働き方改革など外部環境、社会環境の変化が進んでいるとし、「データ・デジタル&テクノロジーをMRが使う機会はどんどん出てくる。恐らくそういったことを自分の中で踏襲しながらやっていかなければいけないと思う」と述べた。ただ、一方で、「AIvs ヒト」の構図は否定し、逆にデジタルアプローチを有効活用することで、医師から「この情報がいま欲しかった」と言ってもらえるような活動にMRは注力すべきと強調。「そういった動きを私も力強くサポートしていきたい。MRの更なる進化に貢献していきたいと考えている」と語ってくれた。
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