武田薬品と東北大創薬戦略推進機構 「プロジェクト蒼天」開始 臨床試験NW構築と利活用で戦略的提携
公開日時 2024/12/18 04:50
武田薬品と東北大学創薬戦略推進機構は12月17日、臨床試験ネットワークの構築と利活用に向けた戦略的提携「プロジェクト蒼天」を開始したと発表した。2024年10月から27年9月までの3年間で、臨床開発の効率化と患者の医療アクセス向上の実現を目指す。
プロジェクトでは、東北大学病院は医療データ基盤の構築や統合、各種解析のためのデジタルツール開発を行い、地域医療ネットワークや蓄積された医療関連データを臨床開発で利活用する。これにより、武田薬品が主導する臨床試験への参加に適した患者への機会提供やリクルーティングの迅速化を狙う。
両者はこれまでも、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)との共同研究により、地域住民の全ゲノム情報を用いて、遺伝的背景と長期的な健康状態の推移の相関を解析し、医薬品の基礎研究を推進してきた。プロジェクト蒼天はこうした取り組みの発展によるもの。
◎「プロジェクト蒼天」を通じ、革新的医薬品を日本と世界の患者により早く届ける
武田薬品の梶井靖R&Dジャパンリージョンヘッドは、「患者さんの医療アクセスを改善し、臨床開発の効率を向上させる画期的な取り組み。プロジェクト蒼天を通じて、革新的医薬品を日本と世界の患者さんに確実により早く届けることに一層コミットする」とコメント。
東北大学病院長も務める同大創薬戦略推進機構の張替秀郎機構長は、「我々が東北地方で蓄積した医療情報や人的ネットワークをさらに拡充し、利活用することは、地域医療の質を向上させるだけでなく、日本ひいては世界での革新的な治療法開発の直接・間接的な加速に貢献する重要な一歩だ」と期待を込めた。