アステラス製薬 CLDN18.2陽性胃がん治療薬・ビロイ 6月12日に発売、世界初
公開日時 2024/06/14 04:48
アステラス製薬は、抗Claudin18.2モノクローナル抗体・ビロイ点滴静注用100mg(一般名:ゾルベツキシマブ(遺伝子組換え))を6月12日に発売した。効能・効果は「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」で、化学療法と併用して用いる。日本での発売が世界初となる。
薬価は100mg1瓶 5万4502円。中医協資料によると、10年後のピーク時で投与患者数3600人、販売金額145億円と予想している。
ビロイは膜貫通型タンパク質CLDN18.2を標的として結合するキメラIgG1モノクローナル抗体で、がん細胞表面のCLDN18.2に結合することにより作用する。この結合相互作用は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)と補体依存性細胞傷害(CDC)という2つの異なる免疫系経路を活性化することにより、がん細胞死を誘導する。
◎ロシュD ビロイのコンパニオン診断薬を発売
CLDN18.2陽性は、承認されたコンパニオン診断薬、または医療機器を使用した十分な経験を持つ病理医、または検査機関によって確認される必要がある。アステラス製薬と提携しているロシュ・ダイアグノスティックスは3月に、ビロイの胃がん患者への適応を判定するためのコンパニオン診断薬として「ベンタナ OptiView CLDN18(43-14A)」の承認を取得。5月1日付で保険適用され、6月3日から販売を始めた。
アステラス製薬は、「この検査は、日本において複数の検査機関を通じて利用可能となり、順次拡大される予定」だとしている。