阪大微研 経鼻投与型インフルエンザワクチン「BK1304」を承認申請
公開日時 2024/04/02 04:50
阪大微生物病研究会は3月28日、経鼻投与型インフルエンザワクチン「BK1304」(開発コード)を承認申請したと発表した。開発優先度の高いワクチンの開発要請に応じ、東興薬品と共同開発したもの。従来の注射器に代わって、特殊な基剤と経鼻デバイスからなる投与システムを用いることで、薬剤を鼻腔内の標的部位に適量接種できる構造になっている。ワクチン接種者の痛みや恐怖の軽減も期待されるとしている。
承認申請は、国内で実施した13歳以上65歳未満を対象とした臨床試験の結果に基づく。従来の注射型のインフルエンザHAワクチンは、ウイルス表面のスパイクタンパク質(HAタンパク質)を抗原として皮下に接種することにより、主に血液中の抗体が誘導され、インフルエンザウイルスに感染した後の重症化を防ぐ効果がある。BK1304は不活化されたウイルス粒子全体を抗原として鼻腔内に噴霧投与することにより、主に鼻腔等の粘膜組織上に抗体が誘導され、インフルエンザの発症を予防する効果が期待される。