【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

国内医療用薬の市場予測 32年までの10年平均成長率は0.8% 27年以降BS影響大きく 富士経済

公開日時 2023/10/11 04:50
富士経済は10月10日、日本の医療用医薬品市場(メーカー出荷ベース)の2032年まで10年間の年平均成長率が0.8%にとどまるとの市場予測をまとめた。20年代前半はがん領域や自己免疫疾患領域に加え、新規アルツハイマー病治療薬治療薬を含むCNS領域が市場拡大に貢献。28年には22年比11%増の8兆9154億円になると予想した。しかし、27年以降に「現在市場をけん引している抗体医薬品や免疫チェックポイント阻害薬」のバイオシミラー(BS)が市場投入されて国内市場はマイナス成長に転じると分析。32年の市場規模は8兆6958億円になると予想した。

文末の「関連ファイル」に、▽国内医療用医薬品市場の32年までの市場規模予測の推移、▽22年及び32年の後発品・BSの市場シェア――をまとめた資料を掲載しました(プレミア会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。

調査は、同社専門調査員による参入企業や関連企業・団体などへのヒアリングや関連文献調査、社内データベースを用いて行った。調査期間は23年8月~9月。今回は32年までの10年間の国内市場を分析した。

◎新規アルツハイマー病治療薬 20年代前半の市場の成長ドライバーになる

調査結果を見ると、国内市場は22年が8兆302億円、23年は前年比1.7%増の8兆1643億円となる見込みで、「23年の国内市場は新型コロナ流行の影響から回復する」とした。

24年以降は、24年8兆2895億円(前年比1.5%増)、25年8兆4414億円(同1.8%増)、26年8兆6948億円(同3.0%増)、27年8兆7770億円(同0.9%増)、28年8兆9154億円(同1.6%増)――と、28年までは毎年拡大すると予想した。これは、今後もがん領域や自己免疫疾患領域を中心に市場が伸びるほか、「新規アルツハイマー病治療薬は話題性が高く、20年代前半は医療用医薬品市場の成長ドライバーになる」ためだとしている。

同社は新規アルツハイマー病治療薬の具体的な製品名は明らかにしていないが、9月にエーザイのレカネマブが承認され、日本イーライリリーのドナネマブは現在申請中のため、少なくともこれらの新薬は含まれているとみられる。

◎国内市場は28年ピークに縮小 後発品・BS市場シェアは20%超に

一方で、国内市場は28年をピークに市場縮小するようだ。同社は、「27年以降は現在市場をけん引している抗体医薬品や免疫チェックポイント阻害剤のバイオシミラーが市場投入されはじめる」と指摘。従来の治療体系を覆す薬効を持ち、全く新しい市場を開拓するような新規ブロックバスターが登場しない限り、市場は「マイナス成長に転じると予想される」とした。市場規模は29年8兆7925億円(同1.4%減)、30年8兆8375億円(同0.5%増)、31年8兆7283億円(同1.2%減)、32年8兆6958億円(同0.4%減)――と推移するとしている。

なお、国内市場におけるBSを含む後発品の市場シェアは、22年は15.4%(うちBSが1.2%)だったものが、32年に20.8%(同2.6%)に高まると予想した。BSの市場規模は22年の994億円が32年に2241億円になると分析。同社は「政府による医療費削減の動きは今後も続き、ジェネリック医薬品、特にバイオシミラーに強い影響を与えるとみられる」としている。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(6)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー