第一三共 日本事業ユニットで営業本部とマーケティング本部を統合 デジタルマーケで顧客軸を強化
公開日時 2023/02/22 04:51
第一三共は2月21日、日本事業ユニットの営業本部とマーケティング本部を統合し、「医薬営業本部」に再編すると発表した。デジタルマーケティング機能を活用し、より顧客軸思考に基づく活動を強化することが目的。あわせて、現行12支店・25エリア統括部を16医薬営業部に再編する。4月1日付。
◎デジタルマーケティング部を新設 機能集約で強化図る
営業本部とマーケティング本部の統合は、同社がグローバルに最適化した組織の構築を進めていることに加え、新型コロナの影響でビジネス環境が大きく変化したことを踏まえたもの。デジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推し進め、顧客軸思考に基づく活動を強化する狙いがある。
医薬営業本部には、営業企画部とマーケティング企画部から、デジタルマーケティングに関する機能を集約・強化した、デジタルマーケティング部を新設する。データ分析や市場調査などのデジタルの内容を一つに集約化することで強化を図る。
◎12支店から16医薬営業部に エリアと本社との直接のやり取りを可能に
12支店25エリアを16医薬営業部に再編する。営業部ではエリア統括の機能を除き、支店機能を継続。これまでは複数のエリアを統括している支店もあったが、エリアに合致した体制に見直す。これにより、「各エリアと本社の医薬営業本部が直接やり取りできるようになる」(同社広報部)としており、エリアマーケティング機能を強化する考え。
具体的には、千葉・埼玉支店を千葉医薬営業部と埼玉医薬営業部に、関越支店を北関東医薬営業部と甲信越医薬営業部に、京都支店を京滋医薬営業部と北陸営業部、関西支店を大阪医薬営業部と兵庫医薬営業部に見直す。
このほか、営業企画部の特定疾患グループ・稀少がんグループを独立させ、「特定疾患推進部」を設置。脳腫瘍ウイルス療法・デリタクトや先天性代謝異常治療薬・ビオプテンなど特定の製品を担当し、特定疾患事業の強化を図る。
◎「HaaS企画部」を新設 トータルケアエコシステム構築を本格化
コーポレート部門は、グローバル コーポレートストラテジー、グローバル ビジネスデベロップメント、グローバル コーポレートプランニング・マネジメント、グローバルDX、グローバルHR、グローバル リーガル・IP、グローバル コンプライアンス・リスクの7機能に再編する。
グローバルDXには、Healthcare as a Service(HaaS)実現を目的に「HaaS企画部」を新設する。同社は、トータルケアエコシステムおよびトータルケアプラットフォーム構築に注力しており、昨年12月に、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社、エクサウィザーズ、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社などのパートナー企業と協働でプロジェクトを開始したことを発表しており、こうした動きを本格化させたい考えだ。