治療用アプリ市場 30年1260億円、35年2850億円に 高血圧・糖尿病・不眠症などに対応疾患拡大へ
公開日時 2022/06/22 04:52
治療用アプリの市場規模が急拡大しそうだ。市場調査会社の富士経済は、2021年に1億円、22年見込が2億円程度の市場規模が、25年に210億円、30年に1260億円、35年に2850億円に拡大すると予測した。医薬品開発の半分程度の期間となる5~6年で開発から製品化が可能なことや開発費が抑えられることから製薬企業が本格参入している。さらに今後、高血圧症、糖尿病、不眠症、小児ADHDなどに対応疾患が拡大すると予測し、市場拡大すると分析した。
調査は、同社の専門調査員による参入企業や関連企業・団体などへのヒアリング、関連文献調査、社内データベースを用いて行った。調査期間は21年12月~22年3月。
禁煙治療プログラムを提供する「CureAppSCニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」(一般的名称:禁煙治療補助システム、製造販売:CureApp)が20年に医療機器として承認されて、治療用アプリ市場が立ち上がった。今年4月には世界初の高血圧症治療用アプリ「CereApp HT 高血圧治療補助アプリ」(高血圧症治療補助プログラム、CureApp)が薬事承認され、保険適用の手続きが進められている。CureAppは年内上市を目指している。
高血圧症治療用アプリは「成人の本態性高血圧症の治療補助」を使用目的とし、患者のスマホに同アプリをダウンロードして、医師の「処方」(処方コードの発行)により使用する。患者が毎日入力する運動・食事などの情報や血圧値を、アプリに埋め込んだ独自アルゴリズムで解析し、患者個々に最適と思われる生活習慣改善のための減塩や運動、睡眠などの情報をアプリに配信。これにより患者の行動変容を促し、生活習慣を改善して降圧効果を発揮する。