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卸連・鈴木会長 健康と医療の向上に欠かせない「医薬流通産業」形成に意欲 卸売業から転換

公開日時 2022/05/09 04:51
日本医薬品卸売業連合会(卸連)の鈴木賢会長(バイタルネット代表取締役会長)は4月28日、東京都内で記者会見し、単に医薬品を販売する「卸売業」とのイメージを払拭し、国民の健康と医療の向上に欠かせない「医薬流通産業」として認知されるよう取り組むと表明した。コロナ禍を契機にDXが急速に進み、社会や医療が急速に変化する中で、「アフターコロナを見据えた医薬品卸としての産業形成、DXの推進」が必要と判断。「経済社会のニーズに応えながら、国民の健康と福祉に欠かせない『医薬流通産業』として、新たな付加価値の創造に努めないといけない」と強調した。

◎「変化に積極的に対応することが大切」

「医薬流通産業」は鈴木会長がネーミングした。「医薬品流通」ではなく「医薬流通」としたのは、今後は医薬品というモノを販売・配送することにとどまらず、DXを推進して、情報や新たな付加価値も提供する必要があるとの思いからだという。鈴木会長は、「世の中が今までとは違う動きになってきている。変化に対応することが大切」と述べ、今こそ卸売“業界”から“産業”に転換し、産業として発展できるようにするべきとの認識を示した。

医薬品卸はこれまでも、例えば行政からの協力要請に応える形で新型コロナワクチンを配送したり、抗原検査キットのバッファー機能を発揮するなど付加価値サービスを社会に提供してきた。しかし、医薬品卸に対する社会のイメージは“くすりを販売して届ける”会社。医薬品卸はすでに卸売業という業態の枠に収まっていないことも、今回の産業化を目指すきっかけになったようだ。

なお、業界と産業の違いは、業界は「医薬品を取り扱う卸売業の集合体(静態的イメージ)」、産業は「単なる集合体ではなく、社会ニーズに対応することで社会的便益を生み出し、社会経済の発展に貢献するもの(時代の変化に対応する動態的イメージ)」だとしている。

◎「医薬流通産業形成・DX推進委員会」を新設へ メンバーは若手経営幹部中心

卸連は28日の理事会で、「医薬流通産業」の形成やDXを推進するため、「医薬流通産業形成・DX推進委員会」を新設することを了承した。5月26日の総会を経て、同委員会は6月1日付で設置する予定。メンバーは若手経営幹部中心とし、未来志向型の委員会にする方針。同委員会はGX(グリーントランスフォーメーション)、脱炭素、SDGsについても対応する。

卸連は、「今後、政府としてDX、GX、脱炭素、SDGsへの対応を推進するため、『産業政策』として、様々な税制や融資の優遇措置が取られる」とみている。また、今夏には厚労省医政局に医薬産業振興・医療情報審議官のポストが新設され、経済課は医薬産業振興・医療情報企画課に改称される。今回、卸売業から「産業」に転換することで、医薬品卸も産業振興の対象と認識されるようにするねらいもある。
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