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卸連・宮田会長 24年度に「別枠品の単品単価交渉が進んだ」 出荷調整品のコスト負担に改めて問題意識

公開日時 2025/04/25 04:51
日本医薬品卸売業連合会(卸連)の宮田浩美会長は4月24日の定例会見で、医薬品卸各社の2024年度決算が5月中旬に相次ぎ発表されることに関連して、「24年度の手応えとして、“別枠品”の単品単価交渉が進んだこと、あるいは単品総価の中で除外したケースが少しずつ出てきていると思っている」と述べた。24年3月に改訂された流通改善ガイドライン(GL)に明記された単品単価交渉の徹底や過度な薬価差の偏在解消に向けた、卸各社の取組みや流通当事者の理解が24年度決算に表れるとの見方を示した格好だ。ただ、「医薬品卸は身を切る改革をして販管費を下げ、効率化していかなければ利益が出ない事業構造になっている」とも指摘し、「各社の努力が決算に表れる」とも強調した。

改訂された流通改善GLには、医療上の必要性の高い医薬品を価格交渉の段階から“別枠”として個々に単品単価交渉することなどが明記された。卸連はGLの発出から1年となることから、別枠品の交渉実態や過去からの商慣習の改善が進んでいるかなどを会員企業を対象にアンケート調査しており、結果がまとまり次第、公表するとしている。

◎20円未満の出荷調整・需給調整品の流通コスト「どういう形で按分するか」と問題提起

卸連は、毎年6月頃に閣議決定される政府の「骨太の方針」に、安定供給問題の改善に向けた見直しの方向性や、薬価制度の在るべき方向性が盛り込まれるよう取り組んでいる。宮田会長は前回3月27日の定例会見で、個人的見解とした上で、社会がインフレ時代に向かうなか、「(薬価に)コストを価格転嫁できないことが最大の問題点」だとし、特に出荷調整・需給調整の業務にかかるコストを現在は医薬品卸が負担していることを問題視した。

この日の会見でも宮田会長はコスト負担に言及。「一昨年前から20円未満の品目の出荷調整が続いている」とし、この流通コストは「どちらかと言えば医薬品卸が負担している」と現状を訴えた。20円未満の品目には医療上必要性の高い医薬品や、国が使用促進する後発品が多いとした上で、「供給しようとしても薬価がすごく下がりすぎている。その流通コストが賄えないと、どこの業者も潤沢に安定供給することはできない」と指摘し、国民、製薬企業、医療機関、保険薬局、医薬品卸を列挙して「コスト負担を誰がするのか。どういう形で按分すればいいか」と問題提起した。卸連として今後、このコスト負担について関係各所に提起し、検討を求めていく姿勢をみせた。
 
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