田辺三菱製薬 ウルソ原薬製造事業を譲渡 イタリアのICE社に
公開日時 2021/10/21 04:50
田辺三菱製薬とエーピーアイ コーポレーション(以下、APIC)は10月20日、田辺三菱が販売する肝・胆・消化機能改善薬ウルソの原薬製造事業をイタリアのICE社に譲渡することで合意したと発表した。譲渡は2022年5月2日付の予定。譲渡額は非開示。田辺三菱とAPICは三菱ケミカルホールディングスのグループ会社で、田辺三菱のウルソ製剤の原薬はAPICいわき工場で製造されている。
後発品の影響などでウルソ製剤のシェアが低迷し、コスト構造の抜本的対応が急務となっていた。このような中で、原材料の調達から原薬であるウルソデオキシコール酸(UDCA)の製造まで、UDCAのバリューチェーンを持つグローバル企業のICE社からAPICいわき工場の譲渡について申し入れがあり、3社交渉を経て合意に達した。同工場は現在、ウルソ製剤の原薬製造のみ行っている。
ICEは同工場で引き続きUDCAを受託生産し、田辺三菱に供給する。田辺三菱とAPICは今回の事業譲渡について、「長年にわたり高品質および高純度のUDCAをグローバルに安定的に製造してきたAPICいわき工場の技術力を活かすことができ、今後も安定的にウルソ製剤を供給できるものと考える」としている。
田辺三菱は事業譲渡に向けて11月末に特別目的会社を設立する。この特別目的会社に、田辺三菱が持つAPICいわき工場の資産、APICが持つ棚卸資産、負債、雇用契約を含む関連する契約および権利義務などウルソ原薬製造に係るすべての医薬品製造事業を、会社分割により承継する。そして、22年5月2日付で、田辺三菱が特別目的会社の全株式をICEに譲渡する。