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日薬連 「医薬品供給調整スキーム」を13成分に発動 小林化工が製造した複数製品の供給停止で

公開日時 2021/01/04 04:52
小林化工の自主回収に端を発した供給不安を受け、日本製薬団体連合会(日薬連)は1月4日までに、13成分を対象に「医療用医薬品の供給調整スキーム」を発動することを決めた。抗菌薬・バンコマイシンや抗てんかん薬のバルプロ酸など、医療上必須の医薬品も含まれる。日薬連が医薬品供給調整スキームを稼働させるのは初めて。

小林化工は同社の経口抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」(ロット番号・製造番号:T0EG08)に製造工程で睡眠剤を混入し、自主回収(クラスⅠ)を行った。ただ、当該製品を服用した患者からは重篤な健康被害が複数報告され、厚労省、PMDA、福井県が2020年12月に立入調査を実施した。その際、複数の製品でも製造工程の不備が指摘され、一時的に出荷停止などの措置が取られている。同社は代替品の切り替えで調整を進めていたものの、日本薬剤師会など医療現場からは供給不安の声が日増しに高まり、安定供給に向けた対応が求められていた。

◎対象品目はバンコマイシン、バルプロ酸ナトリウムなど13成分


対象となったのは、①アトルバスタチン、②リドカイン、③オロパタジン塩酸塩、④クロピドグレル、⑤注射用ナファモスタット、⑥テモゾロミド、⑦バルプロ酸ナトリウム、⑧バンコマイシン、⑨ビクロックス、⑩ファムシクロビル、⑪フェキソフェナジン塩酸塩、⑫メサラジン、⑬プランルカストーの13成分。

スキームは2019年2月に日薬連が策定した(関連記事)。「市場シェア(数量ベース)30%以上の医薬品について、1か月以上の欠品が見込まれる事案」を供給不安に位置づけ、緊急対応時の対応手順を定めている。具体的には、“供給不安”が発生した際に、当該製造販売業者は直ちに、経済課に連絡。経済課と相談し、医薬品の供給調整が必要だと判断した場合、日薬連に報告する。

日薬連の医薬品供給調整スキームタスクフォースの招集を受け、「供給調整チーム」を発足する。厚労省と密に連携し、代替薬の在庫や出荷調整などの対応を取ることとされている。供給調整チームでは、①当該医薬品、同一成分薬、代替薬の在庫の評価(卸在庫含む)、②出荷調整の検討と調整後の積み上げ在庫の評価、③増産-などを検討することになる。卸在庫の調整などの対応が必要な場合は経済課を通じ、日本医薬品卸売業連合会(卸連)に協力を要請する。

このスキームで直ちに十分な供給が実現する場合を除き、経済課から医療関係団体などに通知を発出する。当該医薬品の適正使用に加え、治療の中断や手術の延期などの重大事案の発生が懸念される場合は厚労省に連絡するよう促す。経済課は供給調整に必要な情報を供給調整チームと情報共有する。供給調整チームは、供給調整に対応する製造販売業者などを調整し、卸と連携し、医療機関への供給調整を実施するとしている。
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