ノバルティス SMA治療薬・ゾルゲンスマ上市見据えコンパニオン診断薬の検査結果を無償提供
公開日時 2020/05/11 04:50
脊髄性筋萎縮症(SMA)への遺伝子用治療製品であるゾルゲンスマ(一般名:オナセムノゲン アベパルボベク)の上市を見据え、ノバルティスファーマは5月8日、抗AAV9抗体検査結果の無償提供プログラムをスタートさせたと発表した。同剤の投与に際しては、抗AAV9抗体が陰性であることを確認する必要があるが、コンパニオン診断薬が現時点では保険収載されていない。そのため、同社は、「ゾルゲンスマが保険診療下で使用可能となった際に、治療機会を失う患者さんの存在が懸念される」と指摘。抗AAV9抗体陰性のSMA患者の緊急の治療ニーズを満たす倫理的観点からコンパニオン診断薬の保険収載までの間、プログラムを実施するとしている。
ゾルゲンスマは3月19日に、2歳未満の「脊髄性筋萎縮症(臨床所見は発現していないが、遺伝子検査により脊髄性筋萎縮症の発症が予測されるものも含む)ただし、抗AAV9抗体が陰性の患者に限る」を効能効果として、国内製造販売承認を取得した。同剤は、抗AAV9抗体価の高い患者への投与経験はなく、抗AAV9抗体価の高い患者に対する同剤の有効性・安全性が確立されておらず、処方に際しては抗AAV9抗体が陰性であることを確認することが求められている。
同剤のコンパニオン診断薬「MEBCDX AAV9 テスト」については4月27日、医学生物学研究所(愛知県名古屋市)が承認を取得。5月7日から販売を開始。キットを活用した検査はLSIメディエンス(東京都)が受託するという。