田辺三菱 親会社の完全子会社化方針に賛同 上場廃止へ ヘルスケアプラットフォーム構築
公開日時 2019/11/19 03:52
田辺三菱製薬は11月18日、同日開催の取締役会で、親会社の三菱ケミカルホールディングスが田辺三菱を公開買付(TOB)によって完全子会社化する方針について、賛同する旨を表明したと発表した。TOB成立後、田辺三菱は上場廃止となる予定。
三菱ケミカルHDは現在、田辺三菱株の56.39%を保有している。田辺三菱株の買付価格は、11月15日の終値に53.08%のプレミアムをつけて、1株あたり2010円とする。買付総額は約4918億円となる。買付けは11月19日~20年1月7日まで行う。
三菱ケミカルHDは経営の効率化と、傘下の事業会社間の協業深化を図る。田辺三菱を含む各事業会社が持つヘルスケア関連の人材や技術を共有し、化学・バイオテクノロジー・デジタル技術を組み合わせ活用することで、「独自のヘルスケアプラットフォームを構築する」としている。田辺三菱が強みとする医薬事業のほか、再生医療、疾病予防、健康分野の取り組みを強化する。
田辺三菱と三菱ケミカルHDの各事業会社が一体となることで、「社会のニーズに応え、疾病治療、未病ケアや健康維持、人々の健やかな営みに貢献するビジネスモデルをワールドワイドに展開する扉を開けることにつながる」としている。
三菱ケミカルHDは現在、完全子会社として三菱ケミカルと、健康・医療ICTや再生医療等製品の研究開発事業などを展開する生命科学インスティチュートを持つ。連結子会社として田辺三菱(株式の56%保有)と、産業ガスを扱う大陽日酸(51%保有)を持つ。