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スズケン・宮田社長 ESリンク通じた販促支援に着手 プライマリー製品の展開も視野

公開日時 2019/05/15 03:50
スズケンの宮田浩美社長は5月14日、本町記者会で行った2019年3月期(18年度)決算発表会見で、EPSホールディングスとの合弁会社であるESリンクを通じた販促支援に着手したことを明らかにした。地域医療では医療機関、薬局などの連携による医療が進み、広く面で販促していく必要がある。メーカー側がMR数を削減し、面展開が難しいケースもあることから支援できる機会があると判断。ESリンクのリモートディテールサービスなどを通じて支援したい考え。スペシャリティ領域に強い同社としては、プライマリー製品の展開を視野に、もう一つの新たなサービスにつながるよう取り組む。

これは同社の中期戦略に掲げる「取引」から「取組」に転換の一環。販売代行的な事業の「取引」から、機能を代行する事業の「取組」を強め、機能を評価してもらい、利益創出を目指す。ESリンクは18年10月に、EPSホールディングスと製薬企業向けの新たなプロモーションサービスなどを行う合弁会社として設立された。スズケンのMS活動時に専門的な質問が出た場合など、MSを介してEPSグループのコールセンターのMRによる医師への情報活動を行うサービスを11月から開始した。

EPSグループの「専門性の高さ」と共に、スズケンのMSの「機動力の高さ」を融合したサービスと位置づける。宮田社長は、今後の医薬営業では「効率的な仕組みが必要」と指摘。数社のメーカーとパイロットを行っていることを明かした。

◎「スペシャリティ流通ナンバーワンを目指す」

強みのスペシャリティ流通については、さらにサービス強化を進め「ナンバーワンを目指す」と表明した。メーカー物流を手掛ける強みを生かし、メーカーの出荷以降、輸送、保管、配送、医療機関内まで一気通貫の流通・品質管理をさらに進め、メーカーに訴求する。

宮田社長は、「大手の日通なども(メーカー物流に)参入してきているが、コンペティターになるのか、一緒にできるのかは分からないが、我々は35社のメーカー物流の実績がある」と強調。今後上市が増える高額医薬品、再生医療等製品では「温度管理だけでなく、在庫管理、リスク管理もしっかりしなければならない」と指摘し、川上から川下、患者までのトレーサビリティの確保に向け、投資を続ける姿勢を示した。

◎18年度決算 医薬品卸売事業の営業利益58.8%増 スペシャリティ薬の販売増や価格交渉が奏功

18年度決算における医薬品卸売事業は、抗がん剤などのスペシャリティ薬などの寄与で0.7%増の2兆0441億0100万円だった。営業利益は、希望退職などによる販管費の抑制や流通改善ガイドラインを踏まえた価格交渉が奏功し、58.8%増の228億5700万円となった。妥結率は2年前より4.3ポイント下回る92.7%だった。

19年度予想は、10月に予定される消費増税に伴う薬価改定の影響などを折り込み、売上高は2兆0450億円の横ばい、営業利益は214億7000万円、6.1%減。

10月改定ほか、今後の毎年改定に向けた対応について宮田社長は、今期は需要動向も含め読みにくいとした上で、後発医薬品の価格低下と物流量の増大、スペシャリティ薬の需要増などには、物流センターやビジネスの創出などで手を打ってきていると説明。価格交渉を含め流通改善には、流通当事者間が「しっかり取り組むことが重要だ」と述べるにとどまった。

【連結業績(前年同期比) 19年度予想(前年同期比)】 
売上高 2兆1323億6200万円(0.4%増) 2兆1333億円(0.0%増)  
営業利益 272億2800万円(38.0%増) 246億円(9.7%減)
当期純利益 302億0400万円(60.5%増) 216億円(28.5%減)
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