スズケン・浅野社長 納品予定・発注提案アプリで「限定出荷品の問合わせ6割減」業務負担低減に寄与
公開日時 2024/11/15 04:50
スズケンの浅野茂代表取締役社長は11月13日の25年3月期第2四半期(中間期)決算説明会で、「納品予定・発注提案アプリを得意先に導入したところ、限定出荷品の問い合わせが約6割減った」と明かした。アプリの普及は約9万軒におよび、これにより得意先の業務効率化と同社の受注・納品プロセスの効率化を図ることができた。また、同社が注力する医療DX総合プラットフォーム「コラボポータル」は約17.3万IDの導入を達成。処方元へのリアルとデジタルのアプローチを進めることで、より効果的・効率的な営業スタイルを確立したいと意気込んだ。
◎キュービックシステム がん拠点病院192施設を含む490施設に580台導入
浅野社長は会見で、「第2四半期は、医薬品卸における重点取り組みとして、流通改善ガイドラインの重要性を得意先に丁寧に説明し、価格交渉を進めてきた」と強調。一方で、「高額医薬品の安定供給、品質管理、院内の発注在庫管理の効率化、さらに廃棄ロスなど、得意先の抱える課題に対して、キュービックシステムの展開を積極に積極的に進めてきた」と説明した。なお、がん拠点病院192施設を含む490施設に同システムを580台導入できた。
また、出荷調整の対応として、「現状3000品目を超える製品が限定出荷となっており、未だに収束が見えない状況」と述べながらも、MSやカスタマーセンターの対応に加え、納品予定アプリに限定出荷品の絞り込み機能を追加したことで、「コールセンターへの問い合わせ軒数を約6割削減できた。得意先と弊社社員の業務負担の低減に少しでも寄与できたものと考えている」と述べた。
◎バックヤード機能強化、ポータルのアクティブ化などで「顧客接触量を拡充」
浅野社長はまた、「卸の営業改革に取り組んでいる」と強調。「限られた経営資源の中で、より効果的、効率的な得意先との接点の拡充を図るため、デジタルの活用やバックヤード機能の強化を進めている」と述べ、医療DX総合プラットフォーム「コラボポータル」の普及や納品予定・発注提案アプリの普及に加えて、バックヤード機能の拡充に取り組んでいると説明。営業サポート配置拠点は全国に約50か所、カスタマー機能の受注拠点は160拠点から5拠点に集約し、「呼損率も約10%から約2%に低下できた」と報告。バックヤード機能の強化やポータルのアクティブ化など、顧客接触量を拡充することで、「得意先の満足度の向上と、スズケンにおける効果・効率的な営業体制の変革を現在進めている」と評価した。
◎中間期業績 「コロナ関連商材の減少幅が想定よりマイルド」で微増収・営業利益増益
同社の25年3月期第2四半期連結業績は、売上高が対前年同期比0.2%増の1兆1973億2300万円、営業利益は3.2%増の171億100万円だった。説明会で長縄淳経営管理部長は中間期業績について、「5月の業績予想で減収・減益を予想していたが、微増収・営業利益増益になった」と指摘。主な要因として、「コロナ関連商材の減少幅が想定よりもマイルドであったこと、スペシャリティ医薬品流通の受託増が想定以上であった」と説明している。