ノバルティス タフィンラーとメキニスト併用療法 BRAF遺伝子変異NSCLCの適応追加を申請
公開日時 2016/12/06 03:52
ノバルティスファーマは12月5日、BRAF阻害薬タフィンラーカプセル(一般名:ダブラフェニブメシル酸塩)とMEK阻害薬メキニスト錠(同トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物)の併用療法について、BRAFV600遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の適応追加を申請したと発表した。肺がんの約85%がNSCLCと診断され、日本人のNSCLC患者の約1%がBRAFV600遺伝子変異陽性と推定されている。
NSCLC治療では近年、がんの原因となる遺伝子の解明が進み、関与する分子を治療標的とすることで治療効果の期待できる患者をあらかじめ特定し、治療成績を向上させるプレシジョン・メディシンが浸透してきている。同社は、「BRAFV600遺伝子変異陽性のNSCLC患者の予後や治療効果は十分でなく、BRAFV600遺伝子を標的とした新たな治療薬を早期に臨床現場に提供することが望まれている」としている。
タフィンラーはBRAFキナーゼ活性を阻害し、腫瘍増殖を抑える。メキニストは、BRAF遺伝子変異による腫瘍増殖に関わる酵素であるMEK(MEK1、同2)を阻害する作用を持つ。これにより腫瘍の増殖を抑える。両剤は日本で「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」で16年3月に承認を取得し、6月から販売している。タフィンラーは単剤でも使用でき、メキニストはタフィンラーと併用して用いる。