医薬品産業のR&D投資 全IP産業の27%に イノベーション、雇用創造に不可欠
公開日時 2016/10/28 03:50
医薬品産業の研究開発(R&D)投資(対売上高)額は、全ての知的財産(IP :intellectual property intensive industries)集約産業全体の27%に達し、投資額が抜きんでている――。商務省(DOC)の米国特許・登録商標局(USPTO)と経済統計管理局(ESA)が共同でまとめた報告書で指摘された。一方で、DOCが米国の製薬産業などIP集約産業が2014年には国内総生産(GDP)38.2%である6兆ドルを生み出していることに貢献していることも指摘されており、米国研究製薬工業協会(PhRMA)は10月13日、これを評価する声明を発表した。
報告書は2012年に発行した「知的財産と米国経済:産業にフォーカス」(Intellectual Property and the US Economy :Industries in Focus)の更新版。
81種の業界をIP集約産業と定義し、その米国経済への貢献度を分析。IP集約産業は2014年にはGDPの38.2%を占める貢献をしたが、この数字は2010年の34.8%から3.4ポイント上昇した。GDPへの貢献とともに、雇用への貢献度も大きく、直接雇用は、2014年には2790万人に上り、2010年から80万人増となった。
PhRMAは、米国のバイオ・医薬品産業はすべてのIP集約産業のなかでも際立った存在であると自らを位置づけ、先進的研究開発を実践し、救命薬の開発、生産、供給の多様かつ大規模なサプライチェーンを維持していることを改めて強調した。
その上で、全米のラボで行われている業務の成果により、毎日のように救命および延命がなされていると業界の重要性を訴えた。
具体的には、2014年には85万4000人の直接雇用に寄与し、サプライチェーンなど間接雇用では350万人の雇用生んでいるなどとされている。
PhRMAは、強力なIP保護制度とそのインフラが将来の経済成長のカギになると指摘。イノベーション、雇用創造および世界経済における米国の競争力維持にとって不可欠であることを理解していると評価した。