PhRMA・トムセン委員長 26年度薬価改定 特許期間中の薬価維持が「トッププライオリティ」
公開日時 2025/04/09 04:47

米国研究製薬工業協会(PhRMA)のシモーネ・トムセン在日執行委員会委員長は4月8日の会見で、2026年度薬価制度改革について、「特許期間中の医薬品の薬価が維持されることが私たちのトッププライオリティの要請事項だ」と述べた。具体的には、中間年改定廃止、費用対効果評価制度の拡大防止、市場拡大再算定ルールの改善を「トップ3の政策改革」と強調。市場拡大再算定を「時代遅れ」として、日本の薬価制度を批判した。
トムセン委員長は、2014年から23年にかけて欧米で発売された新薬のうち、245品目が日本で発売されておらず、この半数に当たる124品目は開発に未着手であるなどのデータを提示。「ドラッグ・ロスが加速度的に悪化している」と主張した。研究開発投資の伸び率も、「世界に比べて劣っている」とした。
トムセン委員長は、薬価制度の産業に与える影響の大きさを強調した。岸田政権で行われた24年度薬価改定では新薬創出等加算の見直しなどイノベーションを重視する政策が行われた一方、石破政権下では25年度に中間年改定が実施されたと説明。「信頼を醸成し、投資を日本に持ってこようと多くの本社が研究開発を進め、イノベーションを導入しようという気持ちになっていた。しかし、突然決定がなされた。期待は完全に裏切られた」と批判した。25年度薬価改定で新薬創出等加算の累積額控除が導入されたことについても、「想定外の決定がなされたために、何社かのPhRMA加盟企業が苦境に陥った」と不満を述べた。
このほか、包括的な国家戦略と新たな財政フレームの必要性にも触れた。