テルモ 心不全用治療用の再生医療等製品ハートシート発売 心臓表面に移植し症状改善
公開日時 2016/05/31 03:50
テルモは5月30日、心不全患者の心臓の働きを改善する再生医療等製品ハートシートを発売したと発表した。標準的治療で効果不十分な重症の心不全患者の治療に用いるもので、患者自身の大腿部から採取した筋肉組織に含まれる骨格筋芽細胞を、同社が培養し、医療機関で心臓表面に貼るシート状に調製した上で移植する世界初の製品。今後年間20~30例の使用を見込んでいるとしており、金額にして3億円~4億5000万円程度が想定される。
この製品は、再生医療等製品を新たに定義し、規制に盛り込んだ医薬品医療機器法の施行後、15年9月に再生医療等製品として初めて承認され、16年1月に保険償還価格が決定していた。価格は細胞採取のためのAキットが636万円。培養した細胞をシート化するなどのBキットが168万円で、シートは5枚を移植する。発表によると、このたび保険診療の1例目の患者の細胞採取のためのキットを医療機関に販売したという。