【World Topics】Medical Child Abuse
公開日時 2015/11/30 03:50
子どもがなかなか診断のつかない難病にかかった。連日 検査を重ねても病名も特定できず、症状もいっこうに改善しない。子どもは泣き、親はそんな子どもを見るのが耐えがたい。こんなとき親はどうしたらいいのだろう?(医療ジャーナリスト 西村由美子)
そんな親子に更なる試練が加えられることになった。Medical Child Abuseという新しいコンセプトにもとづくアクション・プランを導入する病院や医師がふえたからだ。
Medical Child Abuseとは、病児の親が子どもが治療を受けるために必要な決断をためらったり、度重なる検査を回避しようとしたりした場合に、医師や医療関係者がそれらの親を子どもを虐待しているとして訴えることができる制度だ。まだケースは多くないが、福祉当局は医師や医療機関側につき、親にプレッシャーをかける場合がほとんどだと言われている。
稀少難病のケースでは何年もの間確定診断がつかない場合も少なくない。そういう病児をもった親たちのサポート・グループが、近年Medical Child Abuseで訴えられる親が増加していることに警鐘をならしている。たとえばMitAction, the American Partnership for Eosinophilic Disorders, Dysortonomia Internationalなどだ。
だが、Medical Child Abuseは、 独立したカテゴリーになっておらず、そのため司法あるいは福祉当局によって「無視・遺棄」等のカテゴリーに分類されて、一般的児童虐待のケースとして取り扱われてしまうため、サポート・グループにとって支援のためのアウトリーチがむずかしい状況となっている。
http://www.cdc.gov/features/healthychildren/