中外製薬 肝細胞がんの再発抑制薬ペレチノインの国内独占販売権獲得 興和から
公開日時 2015/07/15 03:52
興和と中外製薬は7月14日、興和が肝細胞がんの再発抑制薬として開発中のペレチノイン(一般名、開発コード:NIK-333)について、中外が日本で独占販売する契約を締結したと発表した。現在国内フェーズ3段階にある。契約に基づき、興和が製造販売承認を取得し、中外は興和が供給する製品を販売する。興和は契約一時金とマイルストーンペイメントを中外から受領するが、詳細は開示していない。
興和グループで医療用医薬品の販売や情報提供活動を行う興和創薬は、がん領域の治療薬を手掛けた経験がなく、ペレチノインの承認取得・情報提供活動にあたり新たな営業体制を構築する必要があった。このため、がん領域に強い中外が販売した方が、「ペレチノインの市場への速やかな浸透と、製品価値の最大化がはかれると判断した」(興和広報部)としている。
ペレチノインは11年に承認申請したが、有効性について追加の臨床試験を求められ、申請を取り下げた経緯がある。現在実施中の追加試験(P3)のスケジュールは未定という。
ペレチノインは主にレチノイド核内受容体を標的分子とするビタミンA様構造を有する経口非環式レチノイド。肝細胞がんの再発抑制を目的とした薬剤として世界初となる。日本では毎年約4万人が新たに原発性肝がんと診断され、約3万人が死亡し、がんによる死因の第5位となっている。原発性肝がんのうち、肝細胞がんが約94%を占め、根治術後の再発率は術後1年目までで30.1%、3年目までで62.3%、5年目までで79.0%と報告されている。