日本新薬、アクテリオン PAH治療薬オプスミット錠を新発売 両社でプロモーション
公開日時 2015/06/10 03:51
日本新薬とアクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパンは6月9日、共同開発した肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬オプスミット錠10mg(一般名:マシテンタン)を同日に新発売したと発表した。アクテリオンが販売し、両社でプロモーションする。用法・用量は通常、成人にはマシテンタンとして10mgを1日1回経口投与する。薬価は10mg1錠で1万4594円。中医協資料によると、ピーク時の売上予測は発売10年後に130億円。
血管を収縮させる働きを持つ体内物質エンドセリンは、エンドセリン受容体に結合することで作用し、肺高血圧症患者の体内に多く存在する。同剤は、エンドセリンとエンドセリン受容体との結合を阻害する作用を持つエンドセリン受容体拮抗薬(ERA)。エンドセリン受容体にはAとBの2種類あり、AとB両方の受容体を阻害する同剤とボセンタン、A受容体を阻害するアンブリセンタンがある。
なお、現在国内で汎用されているPAH治療薬にはERAのほか、IP受容体作動薬(プロスタサイクリン誘導体)、PDE5阻害薬(ホスホジエステラーゼ5阻害薬)の3種類ある。日本新薬はオプスミット錠、発売中のPDE5阻害薬アドシルカ錠20mg、開発中のIP受容体作動薬セレキシパグ(一般名、開発コード:NS-304)により、異なる3種類すべての作用機序のPAH治療薬を品揃えすることになる。