エーザイ 甲状腺がん治療薬レンバチニブを国内申請 世界に先駆け
公開日時 2014/06/27 03:50
エーザイは6月26日、新規抗がん剤であるレンバチニブメシル酸塩(一般名、開発コード:E7080)について、甲状腺がんにかかわる適応で承認申請したと発表した。グローバルで開発を進めているが、世界に先駆けて日本で承認申請を行った。欧米でも9月末までに申請する予定。
レンバチニブはエーザイの自社創製品で、経口投与タイプの新規結合型選択的チロシンキナーゼ阻害薬。血管内皮増殖因子(VEGF)受容体、線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体などの受容体型チロシンキナーゼ(RTK)を選択的に阻害する。同社は「VEGF 受容体に加えてFGF 受容体のRTK 活性を同時に阻害するという点でファーストインクラスの資質を有する薬剤」と説明している。
申請は、日欧米を含む国際共同臨床第3相試験(P3)のSELECT試験に基づく。試験の対象は過去13 カ月以内に画像診断で病勢進行が確認され、VEGF 受容体を標的とする薬物による治療歴が1レジメン以内の放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん患者392 人。プラセボ群に比べ、レンバチニブ投与群では主要評価項目である無増悪生存期間が有意に延長した。レンバチニブの投与による主な有害事象は高血圧や下痢、食欲減退、体重減少、嘔気だった。
国内の推定甲状腺がん患者数は3万人以下で、 同薬は希少疾病用医薬品の指定を受けている。
同社は、甲状腺がん以外にも肝細胞がん患者を対象とした国際共同P3を実施しているほか、非小細胞肺がんなど複数のがん腫での開発を進めている。