病院外でのAED使用 「自信がない」医師が4人に1人
公開日時 2014/06/18 03:51
「減らせ突然死プロジェクト実行委員会」と医師専用サイトMedPeerを運営するメドピアはこのほど、医師の4人に1人が病院外でAEDを使うことに自信がないと感じているとの共同調査結果をまとめた。この医師は、日常的に蘇生に関わることの少ない医師。同実行委員会の事務局長を務める石見拓・京都大健康科学センター准教授は、「判断に迷って当然ともいえる突然の心停止という状況での行動をいかに促していくか、今後の心肺蘇生・AEDの普及啓発活動の課題を示唆している」とコメントしている。
調査はMedPeer会員医師を対象に4月25日~5月9日に実施した。有効回答医師数は2107人。回答医師の内訳は日常的に蘇生に関わる勤務医690人、日常的に蘇生に関わることが少ない勤務医1166人、開業医213人、研究職などその他38人――。
回答医師の9割以上がAEDを認知し、8割上が実際に使ったり、使い方を学んだことがある。ただ、病院外で心停止を10秒以内に判断できると回答した医師は61.3%、「自信がない」との医師は36.1%となった。
そして、「もし見知らぬ人が目の前で突然倒れた場合、その場にAEDがあれば、あなたはその人にAEDを使うことができるか」との問いに対しては、医師の79.4%が「できる」、19.5%が「自信がない」と答えた。さらに日常的に蘇生に関わると回答した690人の医師を除いて集計したところ、「自信がない」との医師は25.5%となった。医師であっても、病院外での突然の心停止への対応に不安を抱えていることがわかる。
減らせ突然死プロジェクトは、AED導入10年を機にしたプロジェクトで、心臓突然死に対する理解とAEDを使用することの重要性の普及・啓発を目的としたもの。同プロジェクト実行委員会の委員長は三田村秀雄・国家公務員共済組合連合会立川病院院長。メドピアの医師会員数は6万6000人以上。