英NICEガイダンス案 多発性骨髄腫治療薬・レナリドミドで追加情報求める
公開日時 2014/03/20 03:50
英国立医療技術評価機構(NICE)は3月14日、米・セルジーン社の多発性骨髄腫(MM)治療薬Revlimid(日本名:レブラミド、一般名:レナリドミド)について新規ガイダンス案を発表した。その中で、同剤をボルテゾミブ治療後の治療薬として英NHS(国民保健サービス)における使用を推奨するには、データが不足しているとして、追加データの提出をセルジーン社に求めたことを明らかにした。
NHSでは現在、MMには、サリドマイドがファーストラインとして推奨され、次いで、サリドマイドが無効な患者に対してボルテゾミブが推奨されている。NICEの独立評価委員会は、レナリドミドをボルテゾミブ治療後あるいはサリドマイドに忍容性のない患者、あるいは、骨髄移植が適切でない患者への治療選択肢として検討している。
NICEは、レナリドミドについては、2009年にまとめた最初のガイダンスで、2ライン以上の前治療を受けたMM患者の治療選択肢として推奨していた。しかし、その後ボルテゾミブをファーストラインとして推奨したが、一部患者では、ボルテゾミブの投与後にレナリドミドが奏効した症例が報告されたことから、費用対効果について評価を行っている。
しかしNICEは、セルジーンから提出された▽レナリドミドの有効性がボルテゾミブの再治療と同等、▽費用対効果を示した経済モデル―いずれについても明確でないと指摘した。その上で、同社に資料の再提出を求めた。
NICEは、ボルテゾミブあるいは標準化学療法と比較したレナリドミドの1QALY(質調整生存年)当たりのもっとも望ましいコストは3万ポンド以上になると結論付けている。
レナリドミドの薬価は、21カプセル1箱を基本として、カプセル剤には4規格あり、5mgカプセルが3570ポンド、10mgカプセルが3780ポンド、15mgカプセルが3969ポンド、25mgカプセルが4368ポンドとなっている。同剤の開始推奨用量は、1日1回25mgを12日間継続、次から28日サイクルを繰り返す。
患者のアクセススキームについて、09年のガイダンスでは、レナリドミドの製造業者は同剤投薬26サイクル(通常約2年)超については、製造業者が負担することを合意。NICEは同剤の推奨を決めたが、今回は、同上の患者集団に関して、患者アクセススキームがまだ提出されていない。
現在、同ガイダンス案についてパブリックコメントを募集中。