2014年度診療報酬改定 医薬品納入価の低妥結率施設にペナルティ 妥結率50%未満は基本料減算
公開日時 2014/02/13 03:51
2014年度診療報酬改定では、医薬品納入価の妥結率が50%未満の医療施設に対し、初診料などの基本料を約25%減算するルールが導入された。納入価を巡る交渉で価格が決まらない未妥結のままでは市場実勢価格を把握できず、薬価改定のペースになる薬価調査の障害になるとして、医療施設側にペナルティを課した形で、許可病床200床以上の病院と保険薬局が対象。「毎年9月末日までの妥結率が50%以上を超えない」場合に適用される。
本来の点数と減額点数は以下のとおり。
初診料282点→209点
外来診療料73点→54点
再診料72点→53点
調剤基本料41点(特例25点)→31点(同19点)
価格妥結を促すことになり、医薬品卸と医療施設との納入価交渉に影響が出るとみられる。医療施設側は、より低い価格で購入するため、妥結を先延ばすという行動がしずらくなる。
そのほか、14年度に実施される薬剤使用に絡む主な改定は以下のとおり。
【在宅自己注射指導管理料】
様々な投与方法の薬剤が一律に評価(820点)されていることを点を見直し、薬剤の投与回数に応じ点数設定した。
月3回以下100点
月4回以上190点
月8回以上290点
月28回以上810点
【外来化学療法加算】
加算対象薬剤が不明確な上「在宅自己注射管理指導料」との二重評価があるとして見直した。同加算算定時には「在宅自己注射管理指導料」は算定できないようにした。
同加算A:悪性腫瘍の患者に対して、悪性腫瘍の治療を目的として抗悪性腫瘍剤が投与された場合に算定する。
同加算B:関節リウマチ、クローン病などの患者に生物学的製剤をを投与した場合に算定する。
【適切な向精神薬使用の推進】
1回の処方で3剤以上の抗不安薬、3剤以上の睡眠薬、4剤以上の抗うつ薬または4剤以上の抗精神病薬の投薬を行った場合、処方料などを減額する。
本来の点数と減額点数は以下のとおり。
処方料42点→20点
処方せん料68点→30点
薬剤料 8割減算
「精神科継続外来支援指導料」では、3剤以上投与した場合の減算規定を設けていたが、対象は抗不安薬と睡眠薬に限定されていたため、今改定で対象を広げるとともに、基準を上回る処方をした場合(臨時投薬除く)には算定できないようにした。処方料などには減算規定がなかったため今回導入した。
【透析医療】
EPO製剤の薬価引き下げ分及び低価格製剤の普及状況を踏まえて見直した。
現行点数と改定点数は以下のとおり。
慢性維持透析患者外来医学管理料2305点→2250点
人工腎臓:慢性維持透析を行った場合
4時間未満2040点→2030点
4時間以上5時間未満の場合2205点→2195点
5時間以上の場合2340点→2330点
慢性維持透析濾過(複雑なもの)を行った場合2255点→2245点
【後発医薬品調剤体制加算】
保険薬局の調剤基本料に対する加算で、算定基準の数量ベースを新指標(後発医薬品/後発医薬品のある先発医薬品+後発医薬品)に改めるとともに、算定できる指標を引き上げた。
改定点数は以下のとおり。
同加算1(55%以上)18点
同加算2(65%以上)22点
現行では、同加算1(22%以上)5点、同加算2(30%以上)15点、同加算3(35%以上)19点。厚労省の集計(調剤医療費の動向)によれば、13年7月現在、後発品数量シェアは新指標で46.3%、旧指標では30.3%。仮に30.3%で現行の「加算2」(15点)を算定できている薬局でも、改定後は「加算1」(18点)は算定できない計算になり、算定のハードルは高くなる。加算取得をインセンティブに後発品のさらなる使用促すのが狙いだ。