花粉症患者の6割 治療に不満 医師とのコミュニケーションよいほど満足度向上 サノフィ調査
公開日時 2014/02/05 03:50
サノフィはこのほど、病院で治療を受けている花粉症患者のうち、6割以上が治療に何かしらの不満を持っているとの調査結果をまとめた。不満を持つ患者の半数以上が「花粉症は治らないので、半分あきらめて治療している」と答える一方、満足している患者では医師と症状や薬剤選択で活発なコミュニケーションが取られている傾向が認められた。花粉症やアレルギー性鼻炎の治療満足度の向上に向けて、医師と患者のコミュニケーションの重要性が確認されたことから、同社は今後も疾患啓発活動に取り組んでいくとしている。
調査は2013年春に花粉症治療のために医療機関で経口薬を処方された患者2600人を対象に実施した。調査期間は2013年12月3日~9日。方法はインターネット調査。
花粉症治療に対して「不満があるが、概ね満足している」「不満があり、満足していない」と、何かしらの不満を持っている患者は66%を占めた。「満足しており、全く不満はない」との患者は34%だった。
次に治療に満足な患者と不満な患者の回答を比較したところ、▽治療に対する意識・行動▽医師とのコニュニケーション▽薬の効果に不満な時の行動――で顕著な差が見られた。例えば意識・行動では、「あきらめて治療している」との患者は、満足な患者34%に対して不満な患者は64%で、不満を持つ患者の多くが花粉症治療において主治医を決めていないことが分かった。
患者と医師のコミュニケーションでも、シーズン前から医師から症状の変化を聞かれている患者の割合は、満足な患者が40%に対して不満な患者は20%。また、薬剤に不満な時の行動として、医師に薬剤変更を相談する割合でも、満足な患者は6割程度にのぼる一方、不満な患者は4割程度となり、医師とのコミュニケーション状況が満足度に関係していることが示唆された。
調査を監修した脳神経疾患研究所附属総合南東北病院アレルギー頭頸部センター所長の今野昭義氏は、「治療満足度の高い患者は、医師とのコミュニケーションが上手くいっている人。医師とのコミュニケーションが上手くいくことで、患者の花粉症治療への満足度をあげることができる」とし、「QOL評価をしていくためにも、患者から積極的に花粉症の症状や薬の効果について医師へ伝えてほしい。また医師も患者の声をしっかり汲み取ることが重要」と呼びかけた。