ノーベルファーマ 悪性胸水の治療薬ユニタルク発売 欧米標準薬
公開日時 2013/12/10 03:51
ノーベルファーマは12月9日、がんによって胸部に体液が貯まる悪性胸水の治療薬ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4g(一般名:タルク)を発売したと発表した。海外では23以上の国・地域で承認され、欧米では標準薬として位置づけられている。2010年に厚労省から開発要請を受けて開発した。
悪性胸水は、がんが進行、転移することで炎症が起き、リンパ管がつまったりすることで循環していたリンパ液が胸部に貯まるもので、呼吸がしにくくなったり、咳がひどくなったり、痛みが出たりする。その際、針などを用いて余分な体液を排出する。その後、貯まりにくくさせるのがユニタルク。
同剤を、胸膜腔内に注入し、胸膜を炎症させることで、胸水が貯まる胸膜の間を癒着させ、貯まるスペースをなくす。胸膜胸膜癒着剤といわれる。国内治験では、1回の投与で、悪性胸水に伴う呼吸困難や胸の痛みを改善することが確認された。
4g/バイアルを日局生理食塩液50mLを懸濁して使用する。薬価は1バイアル7112円。
同社の資料によると、悪性胸水に対しては国内承認薬としてピシバニ-ルが使われてきたが、発熱などの副作用のための欧米ではほとんど使用されていない。また同剤はペニシリン処理溶連菌製剤でありることから、ペニシリンによるアナフィラキシーのリスクがあった。