エーザイ 認知症治療薬アリセプトに「レビー小体型認知症」の適応追加申請
公開日時 2013/11/01 03:51
エーザイは10月31日、アルツハイマー型認知症治療薬アリセプト(一般名:ドネペジル塩酸塩)の適応に、3大認知症の一つの「レビー小体型認知症」を追加する承認申請を日本で行ったと発表した。同認知症に対する治療としてはアリセプトなどアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の使用が国内治療ガイドラインで推奨されているが、この適応を持つ承認薬はなく、今回の適応追加が承認されれば日本で初めてとなる。
レビー小体は異常なたんぱく質が脳の細胞内にたまったもので、大脳と脳幹に多数出現しているのがこの認知症の特徴。記憶や判断などが難しくなる進行性の認知機能障害に加えて、具体的な幻視など特有の精神症状を示す。認知症の2割程度を占め、半数を占めるアルツハイマー型に次いで多いといわれる。
フェーズ3試験(「341試験」)では、認知機能障害および精神症状・行動障害を主要評価項目として12週間投与におけるプラセボに対する優越性を検証するとともに、長期(52週間)投与の安全性および有効性を検証した。
その結果、認知機能障害について、12週間投与の最終評価時において、プラセボ投与群に比べて有意な改善効果を確認。その改善レベルが52週間にわたり投与開始時の水準よりも高いレベルに維持することが示された。しかし、精神症状・行動障害については、12週間投与最終評価時においては、両群に有意差は認められなかった。安全性は、これまで同剤で確認されているものと同様で、想定外の新たな事象は発生しなかったという。