塩野義 プレドニン錠に「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」適応追加 病気の進行遅らせる
公開日時 2013/09/18 03:50
塩野義製薬は9月13日、合成副腎皮質ホルモン剤プレドニン錠5mg(一般名:プレドニゾロン)の適応にデュシェンヌ型筋ジストロフィーを追加する承認を取得したと発表した。進行を1~3年程度遅らせることができるとして、国内外では広く用いられていたため2月に、治験の一部または全てを実施しなくとも承認申請できる公知申請をしていた。
筋ジストロフィーは筋線維の変性・壊死により、筋力低下が進行する遺伝性疾患で、デュシェンヌ型は男性のみ。頻度は男児の3000~4000人に 1人、有病率は人口10 万人に3~5人という。乳児期からの筋緊張・筋力低下があり、平均10 歳で歩行不能となり、呼吸筋も侵されるので20歳前後になると人工呼吸器が必要となる。
プレドニン錠の投与により、海外の教科書では「進行を3年間まで有意に遅らせる」(Harrison's Internal Medicine 第18版)との記述があり、日本では「筋力低下の進展を1~2年遅らせる」との記載もある(今日の治療指針2011年版)。
内外の使用状況を踏まえ日本小児神経学会などから承認の要望がなされ、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、公知申請が妥当と判断。塩野義は同省の開発要請に応え公知申請していた。