塩野義製薬 女性活躍に特化したスタートアップ支援ファンド「WPower Fund I」設立 最大80億円規模
公開日時 2025/03/10 04:50
塩野義製薬は3月7日、東京都、三菱UFJ銀行、三菱地所、MPower Partnersと連携し、女性活躍推進に特化したスタートアップ支援ファンド「WPower Fund I」を設立すると発表した。女性起業家および女性活躍推進に資するサービス・商品を有するスタートアップの支援に100%特化した日本初のファンド。規模は最大80億円。正式名称は「WPower Fund I投資事業有限責任組合」。日本から世界で活躍する女性起業家を育成し、女性活躍を推進するスタートアップを支援することで、日本のイノベーションの活性化に寄与したい考えだ。
金融庁政策オープンラボのレポートによると、独立・起業(34.2%)や全国の企業に占める女性社長比率(14.2%)に比べ、資金調達に至る企業や新規上場企業の創業者・社長に占める女性の割合は1~2%と急減している。一方で、女性創業者の数は年々増加し、新規起業の34%を占めるに至った。ただ一方で課題も見えており、女性創業のスタートアップや女性関連ビジネスが資金調達に困難を抱えている実態もある。今回のファンド設立に至った背景について塩野義製薬など連携企業は、「ここに大きな投資機会が存在する」と強調している。
◎大手町・丸の内・有楽町エリアを「女性起業家の集積地」(通称:WValley)に
「WPower Fund I」では、主に「資金調達面での困難さを抱える女性起業家等の支援」に加え、「女性活躍推進に資するサービス・商品を有するスタートアップの支援」を目的に経済的リターンと社会インパクトの両立を狙う。投資対象は、アーリーステージの女性創業スタートアップ、女性活躍の推進等に資するサービス・商品を展開するスタートアップ。
女性起業家およびこれらスタートアップが集まる場として、大手町・丸の内・有楽町エリアを「女性起業家の集積地」(通称:WValley)と位置づけ、知見の共有や情報発信を行う考え。さらに、ファンドのLP(Limited Partner)と協働し、女性起業家および女性活躍推進に資するスタートアップが安心して資金調達を行える環境作りを支援するなど、事業拡大をサポートする方針だ。追加募集期間は2026年3月5日までを予定する。