バイエル薬品 月経困難症薬ヤーズによる血栓塞栓症で死亡1例含む87例 注意呼びかけ
公開日時 2013/08/08 03:50
バイエル薬品は8月7日、月経困難症の治療に用いるヤーズ配合錠(一般名:エチニルエストラジオール・ドロスピレノン配合錠)の副作用の血栓塞栓症(静脈性および動脈性)が10年11月の発売以降、死亡1例含む87例確認された(13年6月30日現在)ことから、医師らに注意するよう文書で呼びかけた。
同剤は、経口黄体ホルモン・卵胞ホルモンを配合した薬剤で、血栓症は「重大な副作用」として添付文書に明記されている。発売から推定14万人あまりに使用されたという。同社は、症状の発現から診断までに時間を要する症例が多かったことから、医療従事者に対して改めて注意喚起が必要と判断した。7日の文書では医療従事者に対し、血栓症が疑われる症状として▽下肢の疼痛・浮腫▽突然の息切れ、胸痛▽激しい頭痛、急性視力障害--があることを患者に伝え、症状が出た時には服用を中止し、すぐに医師に相談するよう患者に指導することを求めた。服用開始から3カ月が最も注意が必要だとしている。
同社によると、亡くなったのは、脳梗塞の家族歴がある20歳代の女性で、月経困難症などで処方を受けた。投与から2日目に頭痛が発現。6日目以降に頭痛のほか吐き気、動悸などで処方施設を含む複数の医療機関を受診したが、血栓の診断が11日目までつかず、13日目に頭蓋内静脈洞血栓症で死亡した。