バイエル薬品 肥大型心筋症治療薬・候補aficamten 日本での開発・商業化で独占契約締結
公開日時 2024/11/20 04:50
バイエル薬品は11月19日、独・バイエルと米バイオ製薬企業・ Cytokinetics社との間で、日本におけるaficamtenの開発および商業化に関する独占的提携およびライセンス契約を締結したと発表した。aficamten は、閉塞性・非閉塞性肥大型心筋症患者に対する治療薬候補の心筋ミオシン阻害剤。バイエル薬品は契約締結により、日本での循環器領域のパイプラインを強化する。今後は同社が日本人を対象とした臨床第3相試験を実施するなど、日本での承認取得に向けて活動を進める。
契約に基づき、Cytokinetics 社は契約一時金として 5000 万ユーロ(約80億円)、発売後のマイルストーン達成に応じて最大 9000 万ユーロ(約150億円)を受領する。さらに、バイエルが特定の売上マイルストーンを達成した場合は、最大4億9000万ユーロ(約800億円)の商業化マイルストーンを、日本でも売上に応じた段階的ロイヤルティを受け取る。
契約締結により、バイエル薬品は閉塞性肥大型心筋症の日本人患者を対象とした第3相臨床試験を実施。Cytokinetics 社は、非閉塞性肥大型心筋症患者を対象に実施中の国際共同第3相臨床試験「ACACIA-HCM」、閉塞性肥大型心筋症の小児患者を対象に実施中の臨床試験「CEDAR-HCM」を日本に拡大し、日本でバイエル薬品による aficamten の承認取得を支援する予定。
バイエル薬品のイン・チェン代表取締役社長は、「今回の提携によりバイエル薬品は、バイエルグループが培ってきた創薬、薬事、商業化、ライフサイクルマネジメントに関する幅広い専門知識を活用し、日本における循環器領域への長年にわたるコミットメントをさらに強化する」とコメントを寄せている。
なお、Cytokinetics 社は、2024 年第 3 四半期に FDA へ aficamten を新薬承認申請しており、24 年 第 4 四半期には欧州医薬品庁(EMA)へ販売承認申請を行う予定。